2019年9月20日(金)

ミャンマー携帯普及率100%へ 外資参入で低料金に

2016/7/25 23:42
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ミャンマーで携帯電話の普及が加速している。2年前にわずか1割だった普及率は、新規参入した外資主導で年内にも100%に達する見通しだ。複数の事業者による競合で料金が大幅に下落し、ノルウェーのテレノールなどが相次ぎ第4世代(4G)サービスを導入したことが利用を後押ししている。新規参入や新たな周波数帯域の開放も予定され、競争はさらに熱を帯びそうだ。

ウーレドゥーが5月に始めた4Gサービスの発表会(ヤンゴン)

ウーレドゥーが5月に始めた4Gサービスの発表会(ヤンゴン)

ヤンゴン在住の通訳、スー・ライン・ウィンさん(21)は1台のスマートフォン(スマホ)と、2枚のSIMカードを持ち歩く。「通話は接続が安定する国営郵電公社(MPT)、ネット利用は価格が安いテレノール」と利用場面に応じてカードを入れ替える。月収が30万チャット(約2万7千円)程度のスーさんはスマホを1日数時間使うこともあるが、月々の料金は1万チャット程度に抑えている。

ミャンマーの携帯電話の利用者は今年4月時点で4300万人。人口普及率は80%を超え、年内の100%到達が濃厚だ。2000年代から携帯電話が広がった東南アジアでは、普及率が1割から100%に達するまでの時間がタイ、インドネシアで7~8年、ベトナムで4年と、ミャンマーの急伸ぶりが際立つ。

今年1~3月の契約純増数も約500万人と人口のほぼ1割分に相当し、世界でインドに次ぎ2番目に多かった。1人当たり名目国内総生産(GDP)は15年に1300ドルとバングラデシュなどとともにアジアでもほぼ最低の水準だが、それでも携帯電話を使う人は急増している。

「ミャンマーの携帯電話市場の成長は一足飛びだ。特にデータ利用は東南アジアでも断トツで伸びている」。テレノール・ミャンマーのピーター・フルベルク最高経営責任者(CEO)は指摘する。

11年の民主化前のミャンマーはMPTが携帯電話市場を独占し、普及率は北朝鮮と並びアジアで最も低かった。成長の契機になったのは外資開放だ。14年7月、KDDI・住友商事連合がMPTと提携、同8月にカタールのウーレドゥー、同9月にテレノールが相次ぎ参入した。

顧客獲得のため、3社が値下げなどを競った結果、1分当たりの通話料金は従来の50チャットから1年で20~30チャットに半減した。スマホの価格下落も加速している。ウーレドゥーは中国メーカーに生産を委託した3万チャットの独自端末の販売を開始した。ヤンゴン市内では酷派集団(クールパッド)など中国ブランドの10万チャットを切る格安スマホが飛ぶように売れている。

利用者による選別の段階に備え、事業者は独自サービスを競い始めている。主戦場はデータ通信サービスだ。テレノールはこのほど首都ネピドーで高速通信が可能な第4世代携帯電話サービス(4G)を導入。ヤンゴンなどにも順次広げる。ウーレドゥーも5月にヤンゴンなど3都市で4Gサービスを開始した。携帯電話各社が通信速度の高速化に乗り出している。

MPTは6月にフェイスブック(FB)と提携し、FBの一部サービスへの接続料金を無料にした。個人の連絡手段や企業の情報発信ツールとしてFBの人気は高く、国内利用者数は5月に1年前の2倍の1千万人に達している。MPTはさらに国内約120カ所のサービス拠点での顧客対応を強化するほか、すでに提携しているLINEとも協力したアプリの充実を急ぐ。

「データ通信のプランや顧客対応でどれだけ特色を打ち出せるかがこれからの勝負だ」とMPTの川瀬浩一・最高営業責任者は腕まくりしている。テレノールが地場金融大手のヨマ銀行とモバイルバンキングサービスの開始を準備するなど、普及した携帯をプラットフォームにした新たなビジネスモデルが続々と生まれている。(ヤンゴン=松井基一)

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