2019年7月22日(月)

ユニクロ、国内の成長に天井感 値下げ半年も客足戻らず

2016/7/15 0:16
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ファーストリテイリング傘下のユニクロが国内の伸び悩みに直面している。14日発表した2016年3~5月期連結決算で、国内ユニクロ事業の既存店売上高は前年同期比2.8%増えたが、客数は6.1%減った。値上げで離れた客を呼び戻すため2月に値下げしたが客数はなかなか戻らない。海外で出店を加速しており、国内の稼ぎはその原動力。国内で成長の天井感が強まれば海外戦略も揺らぎかねない。

「これからの秋冬商戦でも価格を見直します」。都内で決算発表の記者会見をした岡崎健最高財務責任者(CFO)は、2月に春夏物で300~1000円値下げしたのに続いて、秋冬物も従来並みの低い価格水準にする考えを示した。

15年秋までの2年間で10%を超える値上げをした。この結果、深刻な客離れが起きた。客数を戻すために「価格を元に戻す」(柳井正会長兼社長)戦略へ転換したのが2月。だが、前年の客数には届かない。6月の国内既存店客数は3.6%減で5カ月連続のマイナス。2年前の約8割の水準だ。かりに今は売上高が増えても客数が減ればじり貧になっていく。

セールの効果も薄い。6月最終週、久々に実施した週末の大型セール。乾きやすい機能を持つ肌着「エアリズムインナー」といった商品が普段よりも数百円安く売られ、客がレジ前に長い列をつくった。ところがその反動で平日の購入を控える動きも出て、結果として全体の客数は減った。

値下げが客数の回復につながらないのは、数多くのライバルに追い上げられ存在感が薄れているためだ。ユニクロが市場を切り開いた発熱・保温の機能を持つ「ヒートテック」のような商品は、競合が続々発売した。ユニクロより安い商品も出てきた。「着てみたら同じ感じ。今は他社で買っている」(30代女性)との声も上がる。

ユニクロが急成長した00年前後は、安さと他にはない高機能を武器に向かうところに敵なしだった。今は違う。ユニクロのライバルといわれるしまむらは16年3~5月期に過去最高の純利益を計上した。客を引きつけるのはユニクロを超える安さだ。ユニクロの単価は1990円や2990円が多いのに対し、しまむらは平均で1品900円を切る。

ユニクロの国内店舗数は840~850店程度でここ数年横ばい。しまむらは主力の「ファッションセンターしまむら」を国内で約1350店運営しており、同業態を中心に3年間で270店を出店する計画。国内でまだ成長できるとみる。

国内の足踏みは海外戦略にも響く。ユニクロの海外売上高は18年8月期までに国内を超える見通し。だが、15年9月~16年5月期の国内の営業利益は932億円で海外の2倍以上だ。成長投資の原資を生むのは国内だ。

ユニクロは今、大ヒットしたヒートテック、エアリズムに続く基幹商品の開発を目指している。価格と機能で客を再び驚かせることができるのか。国内の復活はこの点にかかっている。(岩戸寿、山本紗世)

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