与党、民意取り込む 子育て・女性活躍…

2016/7/11 4:54
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10日投開票の参院選で有権者の多くはアベノミクスの継続を強調した与党を支持した。数の上では憲法改正の国会発議が可能な「改憲勢力3分の2」が現実のものとなった。共闘で挑んだ野党幹部は改憲阻止ラインを守れず、青ざめた表情を浮かべた。初めて国政選挙を経験した18歳は、奨学金の充実などの身近な問題から改憲の是非まで、真剣な思いを込めて1票を投じた。

「次世代を担ってほしいとの期待をいただいた。必ず声に応えたい」。東京選挙区で当選を決めた自民新人、朝日健太郎氏(40)は午後9時半すぎ、東京都渋谷区の事務所で右の拳を突き上げた。支援者から「朝日」コールが巻き起こると、紺色のスーツに身を包んだ朝日氏は、199センチの長身を二つに折り、深々と頭を下げた。

東京選挙区は改選数6に全国最多の31人が立候補する激戦区。出馬表明が遅れ、厳しい戦いを迫られた。選挙戦を「新人候補らしく全力で走り抜けた姿勢を見てもらえた」と笑顔で振り返った。

100カ所以上で街頭演説。ビーチバレー選手として北京、ロンドンの両五輪に出場した知名度や清新なイメージを武器に2020年東京五輪・パラリンピックの成功やスポーツ振興を訴えた。

自身の子供が待機児童となった経験から、子育て支援の充実も強調。「若い世代が抱える問題を解決するため、国政で訴え続けたい」と決意を新たにした。

公明現職の竹谷とし子氏(46)は午後8時すぎ、支援者が待つ東京都新宿区の事務所に現れ、満面の笑み。上下薄いピンク色のスーツ姿で目にうっすらと涙を浮かべ、「感謝の思いでいっぱい。期待に応えるため、死に物狂いで働き恩返ししたい」とあいさつした。

6年前の参院選で初当選。今回の選挙戦では、公認会計士の実務経験を生かし、財務政務官として、国の財政健全化に取り組んだ実績をアピール。徹底した組織選挙で30人以上が立候補した混戦で優位を保った。

竹谷氏はこの日、「財政の『見える化』による無駄の削減をさらに進める」と抱負を語る一方、憲法改正に対する公明党の姿勢については「憲法に対する考え方は自民党とは違う」と述べた。

「2期目となり責任が大きくなる。きょうから神奈川、日本のためにしっかり頑張る」。神奈川選挙区の自民現職、三原じゅん子氏(51)は午後8時すぎ、早々と笑顔の勝利宣言。横浜市の事務所で一言一言かみしめるようにあいさつした。

選挙戦では医療や介護など社会保障政策の充実や、女性の活躍推進に力を入れていく姿勢を強調した。この日も「守りたい」とのキャッチフレーズが書かれた真っ赤なシャツを着て登場。次々に花束を受け取り、ガッツポーズをみせた。

元女優で知名度が高い三原氏だが、今回は比例代表からのくら替え出馬。改選4議席に12人が立候補する激戦区で、「どぶ板選挙」を展開した。

選対幹部は「とにかく県内隅々まで回り、神奈川自民の一員としての顔を広めることに注力した。地元の反応も少しずつよくなってきた」と振り返る。三原氏もこの日、「チーム神奈川のおかげ」と何度も頭を下げた。

「熊本県の復旧・復興を頼むぞという期待を集めた結果だ。しっかりと現場の声を国政に反映させる」。4月に大地震が相次いだ熊本選挙区で、3期連続の当選を果たした自民現職の松村祥史氏(52)は、喜びを抑え、復興に向けた抱負を力強く語った。

午後7時すぎ、早々と熊本県益城町の事務所に防災服姿で現れた松村氏は集まった約200人の支援者らと握手を交わして回った。当選が決まると、割れんばかりの拍手が起こったが、硬い表情は崩さず、何度もうなずきながら応じた。

あいさつでは冒頭に地震や6月下旬の豪雨災害の犠牲者を悼んで黙とう。万歳はせず、支援者らと「熊本の復興に向けてがんばろう」と唱和して拳を3度突き上げた。

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