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「イスラム国」名乗るテロ頻発 長期政権に募る不満

【ニューデリー=黒沼勇史】バングラデシュの首都ダッカで起きた飲食店襲撃事件は、中東の過激派組織「イスラム国」(IS)系のニュースサイトが犯行声明を出した。同国では過去1年でIS系組織が犯行声明を出す事件が相次いでいるが、IS本体と関係の遠い現地の非合法組織によるテロとの見方が多い。

2015年9月以来、イタリア人や日本人1人が銃撃を受け、殺害された。その犯行声明はIS系が出した。バングラデシュのハシナ首相はその度に「ISやアルカイダがバングラ国内に存在するとは(野党の)プロパガンダだ」と発言。国外のテロ組織がバングラに浸透しているとの見方を否定し続けてきた。

「ISがバングラで戦闘員を募り、シリアへ呼び寄せているとの情報はある」(ダッカ大関係者)。だが、中東のIS本体が積極的にバングラに力を注ぐ形跡はあまりない。例えば、今回の襲撃事件。銃を持つ実行犯は一部で、その他はナイフなどで武装していた。ブリュッセルやイスタンブールの空港を襲ったテロ事件と比べ、武装レベルが明らかに低い。

むしろ、ハシナ首相による長期政権が災いし、野党に連なる非合法勢力が過激化しているのが真相との見方が多い。

過去20年以上、同国ではハシナ首相のアワミ連盟(AL)と、最大野党のバングラデシュ民族主義党(BNP)がおよそ5年ごとに政権交代を繰り返してきた。今回のハシナ政権は09年から始まり、次期総選挙の19年まで10年続く見込みだ。

BNPは政権奪取へゼネストを多用してきた。だが6%台の高成長を背景に賃金が上がり、ゼネストの動員が難しくなりつつある。野党系の非合法勢力は、ゼネストより安いコストで政府に痛撃を加えられるテロに戦略を変えたもようだ。

ただ、今回は「従来と異なり組織的で、国外の専門家から訓練を受けたかのようだ」(ダッカ在住の経営コンサルタント、田中秀喜氏)との指摘もあり、IS本体と関係を深めた可能性もある。

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