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都内の路線価、オフィス需要がけん引 銀座・新宿など大幅上昇

東京国税局が1日発表した東京都内の2016年分の路線価(1月1日時点)は住宅、商業、工業地を含む標準宅地の平均価格(1平方メートル当たり)が前年より2.9%上昇した。3年連続のプラスで伸び率も前年の2.1%を上回った。堅調なオフィス需要や訪日外国人客の増加に支えられ、銀座や新宿など都心部では大きく上昇した。

都内の税務署管内ごとの最高路線価は48地点のうち47地点で上昇した。40地点で昨年の上昇率を上回り、5%以上のプラス地点が昨年の20から31に増えた。横ばいは日野税務署管内の1カ所で、下落は3年連続でゼロだった。

都心部を中心にオフィス需要は旺盛だ。3月に完成した「住友不動産新宿ガーデンタワー」や4月完成の三菱地所の「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」はほぼ満室で開業した。

仲介大手の三幸エステート(東京・中央)の今関豊和チーフアナリストは「企業の都心回帰の動きもあり、渋谷や大手町、日本橋などを中心に都心部ではオフィス需要が底堅い」と分析する。住友商事は18年、本社を中央区晴海から大手町に移す計画だ。

都内で最も路線価が高かったのは中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で1平方メートル当たり3200万円で、上昇率も都内で最も高い18.7%だった。31年連続で全国最高路線価となった。

銀座では訪日客の急増などに対応した商業施設の開発が相次ぐ。東急不動産は3月、大型免税店や観光案内所を備えたエリア最大級の商業施設「東急プラザ銀座」を開業。J・フロントリテイリングや森ビルなどは17年、松坂屋銀座店の跡地に大型商業施設を開業する計画だ。

都心では宿泊施設の新設ラッシュも続く。星野リゾート(長野県軽井沢町)は20日、大手町に日本旅館「星のや東京」を開業。27日には西武ホールディングスが旧赤坂プリンスホテル跡地に開発した「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」が営業を始める。欧米やアジアの富裕層の需要を見込み、1室1泊あたりの宿泊料金は6万円からで、最高級の部屋は59万円に設定した。

都心以外では主要駅前の再開発が地価を押し上げるケースが目立つ。世田谷区玉川2丁目の「玉川通り」は、上昇率が昨年の4.0%から10.4%に。東京急行電鉄が二子玉川駅近くに昨年、複合施設「二子玉川ライズ」を全面開業した効果とみられる。

高級マンションの開発も活発で、東京建物が17年12月に完成予定の「ブリリアタワーズ目黒」は、平均価格が1億円を超える高級物件だが、受け付け開始から約4カ月で全661戸を完売した。

都内の路線価は3年連続で上昇したが、足元では変調の兆しも見られる。今関チーフアナリストは「オフィス賃料の上昇率はピークに近づいている」とみる。18、19年に完成するビルが多く、供給過多になる懸念があるほか、英国のEU離脱決定に伴う円高などで、景気の不透明感が強まっているためだ。

不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)の井出武・上席主任研究員も「マンション需要は曲がり角に来ている。今年に入り高額物件の売れ行きが鈍り始めているようだ」と話している。

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