化血研理事長に早川氏
熊本市の化学及血清療法研究所(化血研)が国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造していた問題で、臨時の評議員会が19日開かれ、新しい理事3人の経営陣案を決議した。新理事長は近畿大薬学総合研究所長の早川尭夫氏(74)に決まった。宮本誠二理事長(65)ら組織内部から直接登用されていた理事9人はすべて退任した。
化血研によると、他の新理事は元薬事コンサルタントの木下統晴氏(67)と元アステラス製薬探索研究所長の藤井隆氏(67)。
藤井氏は2006年8月から12年3月まで化血研に勤めていたが、化血研は「外部での経験が長い」として新理事3人はすべて外部関係者としている。
アステラス製薬とは血液製剤などの事業譲渡交渉を行っており、今後の交渉は新経営陣が引き継ぐ。早川氏は「円滑な業務の遂行のため従業員が心をひとつにすることが必要」とするコメントを出した。
評議員会は理事の選任や解任を決議する機関。問題発覚後の昨年12月、評議員会に入っていた化血研OB2人が辞任したことで外部関係者が上回った。
化血研はことし1月に厚生労働省から110日間の業務停止処分を受けた。塩崎恭久厚労相は「今のままで製造販売することはない」として、組織体制の見直しを求めていた。〔共同〕
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