笑顔と誇り、イチロー節 4257安打に米でも注目

2016/6/17 0:53
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年齢を全く感じさせないプレーで、日米通算でメジャー記録を抜く4257安打を記録したイチロー選手(42)の偉業に、歓喜と称賛が広がった。かつての本塁打王の王貞治氏は「世界の野球ファンを魅了する」とたたえ、バット製作でその歩みを支えてきた関係者らも祝福した。

【サンディエゴ=共同】米大リーグ、マーリンズのイチロー選手(42)が15日、サンディエゴでのパドレス戦で2安打を放って日米通算4257安打とし、ピート・ローズ氏の持つメジャー記録を超えた。試合後の記者会見には大勢の日本の報道陣に加え、テレビクルーを含め約20人の米メディアも詰め掛け、米国内でも高い関心を集めていることをうかがわせた。

敵地での快挙達成とあって、会見場はパドレスが用意した。イチロー選手は、号外が出た話題になると「そうなんですか。別の号外(東京都知事関連)の話は聞きましたがね」とユーモアを交えるなど、いつものストイックさとは違った表情を見せた。

ローズ氏は野球賭博への関与で大リーグから永久追放となっている。安打記録を「いつかアメリカで抜く選手が出てきてほしいし、それが(元ヤンキース主将の)ジーターのような人格者であることが理想」と、日米通算記録に批判的なローズ氏を皮肉る場面も。

日米通算は米国では参考記録としてしか扱われず、"ローズ超え"とすることには異論も多い。その点に関しては「日米通算という数字は、どうしたってけちがつくことは分かっていた」「どうしてもらっても構わない。好きなようにしてください」と自分の主張を口にすることはなかった。野球人として多くの偉業を成し遂げてきた自身の歩みにプライドをにじませながらも、リラックスした様子だった。

運動用具メーカー「ミズノテクニクス」(岐阜県養老町)で、長年にわたってイチロー選手のバット製作を手掛け、現在は一線を退いている久保田五十一さん(73)は「イチロー選手はバットにこだわりがあって、製作はハードルが高かった。それに応えようと必死だった」と振り返った。

イチロー選手のバットは、他の選手より全体的に細いのが特徴。長さ85センチ、880グラムほどで、同じ形状のものを使い続ける選手は非常にまれだという。

久保田さんから仕事を受け継いだ名和民夫さん(49)は2009年ごろからバット製作に携わる。11年に1度だけ「グリップエンドが少し違う」と指摘を受けたことがある。細心の注意を払っているが、名和さんは「イチロー選手の繊細な感覚が違ったのでしょう」と語った。

久保田さんがバット製作を担当したピート・ローズ氏のメジャー記録を上回った。次は大リーグ3千安打の偉業が待つ。名和さんは「これからもイチロー選手の期待に沿うバットを作り続けたい」と話した。〔共同〕

巨人で通算868本塁打のプロ野球記録を樹立したソフトバンクの王貞治会長(76)は、イチロー選手がピート・ローズ氏のメジャー記録4256安打を日米通算で抜いたことを受け「42歳にして今なお、さらなる高みを目指して突き進むイチロー君の姿は、私を含めて世界の野球ファンを魅了する」と称賛した。

王氏は37歳だった1977年、後楽園球場で通算756号本塁打を放ち、ハンク・アーロン氏の当時の大リーグ記録を上回った。

イチロー選手は大リーグ通算3千安打もあと21本としている。王氏は「これからもより一層の活躍を期待するとともに、1本でも多くヒットを増やしてほしい」とエールを送った。

プロ野球通算最多の3085安打をマークした張本勲氏(75)も「日本球界は鼻高々ですよ。こんな選手は向こう100年出てこないでしょう」と絶賛。イチロー選手が2009年に自身の数字を日米通算で上回った際には、渡米して見守った。今回の到達に際しても、その時と同じせりふで、テレビでもおなじみの「大あっぱれですよ」を賛辞として贈った。〔共同〕

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