ふるさと納税2.8倍136億円 中国5県の昨年度

2016/6/15 6:00
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出身地など好きな自治体に寄付すると住民税などの負担が軽減される「ふるさと納税」が中国地方で急増している。総務省が14日発表した調査結果によると、中国5県(県と市町村の合計)の2015年度の寄付金額は136億400万円と14年度に比べ2.8倍に増えた。伸び率の高い市町村を見ると、地元の特産品や文化遺産を生かした独自性の強い返礼品が人気を集めている。

5県の15年度の寄付件数は2.1倍の60万1955件だった。県別にみると岡山県が6倍の12万5622件、寄付金額も11倍の45億4900万円と急増し、件数、金額とも最多となり、全体をけん引した。

増加が著しいのは岡山県備前市だ。寄付金額は27億1500万円と14年度に比べ89倍に急増し、中国地方の市町村で最多となった。全国の自治体別受け入れ額でも上位5位に入った。

同市は急増の理由を「15年4月時点で『タブレット端末を返礼品として扱う自治体』と多くのメディアに取り上げられたことが大きい」と分析する。15年1月から納税額に応じてポイントを配布、幅広い返礼品メニューから選べる仕組みも導入した。

クレジットカードでの納税にも対応するなど、寄付者の利便性向上もいち早く取り組んだ。昨年度は小中学校のエアコンの整備や子どもを対象にした図書券の配布などに寄付金を利用。今年度もメニューを拡大して納税増加をめざす。

寄付を大きく伸ばした自治体では、返礼品の拡充や宣伝強化が奏功している。島根県浜田市は20億9300万円の寄付を集めた。返礼品の商品を15年度末は300品目以上に拡充したことなどが寄与した。プロテニス選手の錦織圭氏の好物として有名になったノドグロの一夜干しなど、話題性の高い商品も注目を集めた。

山口県萩市も寄付額が約12倍と大幅に増えた。大河ドラマ「花燃ゆ」放映や世界遺産登録による宣伝効果が大きかった。人気が集まった返礼品は地元の地ビール「チョンマゲビール」。市企画政策課は「大河のラベルを使ったほか、名前の面白さも注目された」と話す。

鳥取県で最も寄付を集めた米子市は、寄付金額が54%増の7億3100万円になった。15年度から米子高島屋(米子市)と提携し、鳥取和牛や松葉がになどの高級食材も選べるようにした。16年度は商品数を増やすほか、県人会などを通じたPRを強化する。

返礼品だけでなく、寄付金の使途が支持を集めた事例もある。広島県神石高原町は、町内の自治体振興会やNPOを指定して寄付できる制度を導入している。昨年度特に支持を集めたのが、NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が取り組む飼育放棄犬の保護舎増設や医療費などへの寄付だ。町まちづくり推進課は「『犬の殺処分ゼロ』という目標に同調した全国の方々からの寄付が増えている」という。

15年度からは減税を受けられる寄付の上限額が引き上げられるなど制度の利便性も向上しており、ふるさと納税の活用はさらに増加するとみられる。各自治体は今後、寄付で得た資金をどう地域活性化に生かすのかその使い道も問われてきそうだ。

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