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ガイド本 もういらない(インバウンド関西)
「1600万人」時代へ(下) SNSで「非定番」に光

2016/6/11 15:00
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「出来たてのビールが無料で3杯飲めるよ」。インバウンド(訪日外国人)が使う交流サイト(SNS)で今、話題になっているのがアサヒビールの吹田工場(大阪府吹田市)だ。2015年には14年の2倍の約1万人の訪日客が工場を見学した。

■着物姿「自撮り」

京阪祇園四条駅の観光案内所で道を尋ねる外国人旅行客(京都市東山区)

京阪祇園四条駅の観光案内所で道を尋ねる外国人旅行客(京都市東山区)

江戸時代の街並みを再現した「大阪くらしの今昔館」(大阪市)では館内でレンタルした着物をまとい、スマートフォンで「自撮り」する外国人が後を絶たない。SNSで情報が拡散し来館者の4割は外国人だ。

格安航空会社(LCC)の普及で団体から個人旅行へのシフトが進んでいる。関西ではユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)など定番の観光地だけでなく、訪日客の出没スポットが多様になってきた。

例えば京都市のラーメン店「めん馬鹿一代」。ネギラーメンに店員が高温で熱したネギ油をかけると大きな火柱が天井まで上がる。SNSでは「ファイヤーラーメン」と命名され、訪日客が押し掛けている。

大阪で外国人に人気の食といえば、たこ焼きや串カツ、お好み焼きが定番とされるが、ここでも多様化が進む。創業65年、レトロな店構えの駄菓子問屋・藤田商店(大阪市)にはアジア客がチョコレート菓子「ブラックサンダー」(1箱20個入り、500円)を買い求める。安田大介店長は「きっかけはSNS。ここ1~2年で外国人が目立つようになった」と話す。1時間500円で駄菓子食べ放題のバー「A-55」(大阪市)も同様。櫨山貴之オーナーは「客の多くは庶民的な日本の文化を楽しみたいリピーター」とみる。

■リピーター増加

個人旅行が中心になると移動はバスから電車へシフトする。近畿日本鉄道は大阪や京都など関西のゴールデンルートが乗り降り自由になる「近鉄レールパス」の15年度の取扱高が14年度の2倍。「先日のサミットで沿線の伊勢志摩への注目も高まりそう」と今年度はさらなる上積みを目指す。

西日本旅客鉄道(JR西日本)も16年3月期のインバウンド関連商品の販売枚数が約100万枚と前の期比7割増えた。

鉄道客に欠かせないのが駅での情報発信拠点。京阪電気鉄道は4月28日、祇園四条駅(京都市)に観光案内所「京阪ツーリストインフォメーションセンター祇園四条」を開いた。施設利用者の約4割は外国人だ。

同施設では有料ツアーも催行。ユニークな内容から訪日リピーターの間で人気が高まっている。例えば近隣の神社仏閣を巡るツアーでは定番の八坂神社に加え、眼病に御利益があるとされる「目疾(めやみ)地蔵」、美人祈願の「美御前社(うつくしごぜんしゃ)」など知る人ぞ知る場所を巡る。実際の案内業務と観光ツアーは専門業者の「らくたび」に委託している。

関西への訪日客は20年にも現状の2倍の1600万人時代を迎え、そのとき、インバウンドの主流はリピーターになる可能性がある。定番の観光スポット、サービスでは飽き足らなくなる。「その先の関西へ」向かう訪日客の受け入れ競争は既に始まっている。

北西厚一、中尾良平、林英樹、大淵将一、西岡杏、加藤彰介が担当しました。

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