2019年8月17日(土)

都内中小企業などが「下町カヌー」開発 五輪で初メダル目指す

2016/6/11 7:00
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東京の下町の中小企業が大学や金融機関と組み、2020年の東京五輪に向けて競技用のカヌーを開発する。深海探査機「江戸っ子1号」の開発に参加した精密板金加工の浜野製作所(墨田区)をはじめ、東京東信用金庫(同)や東洋大学などが連携し、日本人に合う船艇やパドルを製作する。中小の技術を結集し、五輪で同競技初のメダル獲得を後押しする。

このほど東京東信金と東洋大が、都内の中小企業と大学の共同研究を推進するために産学連携協定を締結。連携の中核となる事業として、国産カヌー開発のプロジェクトに取り組む。

カヌーの製作は東京東信金の取引先である浜野製作所が受け持つ。同社は13年に房総半島沖の深海撮影に成功した探査機「江戸っ子1号」の構造設計を主導した実績がある。すでに同社を含む関係者が、プロジェクト実現に向けて打ち合わせを重ねている。

日本カヌー連盟によると、五輪など国際的な大会で使われている競技用カヌーは欧州製品が多い。今回のプロジェクトでは、日本人の体格に合った国産の船艇とパドルを独自に開発し、18年までに製品化を目指す。

製造を担う浜野製作所は、高齢者や障害者らが使いやすい「ユニバーサルデザイン」の製品開発で多くの中小企業と連携している。カヌーの開発でも素材メーカーなど優れた技術を持っている企業に参加を呼びかけ、技術を持ち寄る方針だ。

技術開発面では東洋大理工学部生体医工学科の望月修教授が中心となって協力する。望月教授は12年のロンドン五輪で、ミズノの競泳水着の開発に協力するなど、アスリートを科学的にサポートしてきた実績がある。独自の船艇やパドルの開発について「用具の形や材質などを改良することで記録を伸ばせる可能性がある」とみている。

カヌーの元五輪選手でもある東京都カヌー協会の藤野強理事長も、選手強化の立場からプロジェクトに助言する。

東京東信金は取引先に数多くの中小企業を持つ。カヌー開発に役立つ技術を持つ中小企業を浜野製作所などに紹介するほか、自治体との連絡・調整や補助金の申請など、資金調達に関する支援もする予定だ。

都内の中小企業は後継者不在や人材育成に悩むところも多い。カヌー開発で中小企業に若い人材を集め、次世代の技術者を育てる狙いもある。浜野製作所の浜野慶一社長は「金メダルという夢に向かって結束し、町工場に明るい話題をつくりたい」と意気込む。

東京五輪のカヌー競技は20年7月、江戸川区で開催される。

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