2018年7月18日(水)

遠藤周作さんの初の小説、単行本に収録 別名で短編

2016/6/4 0:11
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 小説「沈黙」などで知られる遠藤周作さん(1923~96年)が、作家デビュー前の54年に別の名前で発表していた小説が、近く単行本に収録されることが3日、分かった。遠藤さんは当時31歳。代表作とは異なる娯楽色の濃い短編ながら、すでに才能がうかがえると関係者は指摘している。

 作品は小説誌「オール読物」(1954年8月号)に、伊達龍一郎の名義で発表した「アフリカの体臭」。これまでは同年11月に雑誌掲載された「アデンまで」が最初の小説とされてきた。「アフリカ―」は、早世したフランスの人気女優をめぐる数奇なエピソードを通して、人間の悲哀などを描いている。慶応義塾大学出版会が15日に刊行する「遠藤周作『沈黙』をめぐる短篇(たんぺん)集」に収録される。

 遠藤さんは生前、「伊達龍之介とかなんとかいう変名で、読みものを何回か載せてる」と語っていた。

 弟子で作家の元「三田文学」編集長、加藤宗哉さんは「フランスへの留学経験が下敷きになっており、後の文学的テーマとなる人間の悪、悲しさが通底していることから遠藤の作とみて間違いない」と指摘。遺族も本人の作と確認したという。

 加藤さんは「娯楽小説であり、アルバイトで書いたと考えられるが、すでにその才能が花開いている。非常に興味深い作品だ」と話している。〔共同〕

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