サンフレッチェがサッカー場案 寄付など財源、運営にSPC
サッカーJ1のサンフレッチェ広島は3日、旧広島市民球場の跡地にサッカー専用スタジアムを新設する独自案について、建設費140億円の資金調達や経済効果、事業採算などの詳細を公表した。コンサートなど年間で最大150万人を集客する。広島県内の経済効果は初年度に376億円を見込む。
独自案によると、スタジアムの建設費に充てる資金を調達する募金団体を設立し、自ら建設主体となる。完成したスタジアムは広島市に寄付し、運営のために特別目的会社(SPC)を新設する。サンフレッチェはスタジアムの使用料を支払う。
募金団体はエディオンと同社の久保允誉会長兼社長(サンフレッチェ広島会長)から30億円の寄付を受ける。法人から20億円、個人から10億円の寄付を集め、サッカーくじの「toto」などからの補助金も得る。45億円を外部から調達する必要があり、SPCが金融機関から借り入れることなどを想定。なお不足する場合にはエディオンから借りる。
集客面ではリーグ戦17試合の1試合あたりの平均観客数は現状より3千人多い1万8千人を想定する。カップ戦を含めて年間に34万人、コンサートで7万5千人、市民や企業イベントで110万人を集客する。サンフレッチェはスタジアムの年間使用料で4億5千万円を支払った場合でも年間で8千万~9千万円の利益が残ると試算した。
同社は同日付で書簡を広島県、広島市、広島商工会議所に送付した。7日午後に広島商工会議所が同社の独自案の詳細を聞く懇談会を開く。出席する久保允誉会長は「商工会議所の意見として旧市民球場跡地に建設する案に一本化できれば」と話す。懇談会の検討結果をもとに6月中に県、市、商工会議所、サンフレッチェによる4者のトップ会談の実現をめざす。