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銀行、IT事業進出に道 三井住友は仮想商店街に関心

金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」で金融界の成長を後押しする改正銀行法が25日、成立した。銀行による事業会社への出資制限を緩め、先進的な技術を持つIT企業の買収にも道を開く。メガバンクなどがインターネットを使った仮想商店街(ECモール)といった異業種を取り込み、顧客サービスを競う時代に移る。

銀行法の大規模な改正は銀行持ち株会社を解禁した1990年代後半以来だ。同法は、財務の健全性を保つため銀行による事業会社への出資を5%までと規定しており、銀行持ち株会社も15%までに制限している。

改正法はこの制限を緩めて、「ITを使って金融サービスを高度化する」場合、当局の個別認可を得れば制限を超えて出資できるようにする。

かねて銀行界で言われてきた「楽天は銀行を保有できるが銀行は楽天を持てない」というねじれた状態を解消する。

金融庁は今後、実際にどのような会社への出資を認めるかという目安を監督指針や施行規則などで定める。

すでに三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガバンクが専門部署を立ち上げたり、ベンチャー企業を発掘するコンテストを開くなど準備を進めている。改正法成立で出資・提携先探しが本格化する。

三井住友フィナンシャルグループは楽天のような仮想商店街の運営に関心を示している。利用者と出店者をつなぐ取引の場を提供すれば、決済業務を一手に担うことができるためだ。

商流を把握することで、顧客の資金ニーズや返済能力を踏まえたタイムリーな融資の提案も可能になる。

みずほフィナンシャルグループも「ビッグデータ」を活用した迅速な審査などを融資ビジネスに生かせないか検討する。自前で事業を立ち上げるより、ベンチャー企業に出資・買収することで「時間を買う」ことができる。

一部の銀行はすでに現行法の枠内でフィンテック企業に出資している。静岡銀行は昨年8月、家計簿アプリで知られるマネーフォワード(東京・港)に数%出資した。

出資制限の緩和に伴い、出資先に役員を送り込んでノウハウを取り込んだり、共同で事業展開しやすくなる。利用者のニーズに応えようと、異業種を巻き込んだサービス競争が激しくなる。

フィンテックで先行する海外では、米JPモルガン・チェースが割引クーポンの販売サイト運営会社に出資。英バークレイズもカード決済用のソフト開発会社に資本参加するなど動きが活発だ。

JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「我々はグーグルやフェイスブックと競合することになる」と発言。金融とITの垣根はなくなりつつある。

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