教習所津波訴訟が和解 仙台高裁、学校側が陳謝し解決金

2016/5/25 13:57
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東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県山元町の常磐山元自動車学校の教習生25人とアルバイトの女性従業員の遺族が、学校側に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が25日、仙台高裁(小野洋一裁判長)で開かれ、学校側が教習生1人当たり50万円、計1250万円の解決金を支払い、陳謝することを条件に教習生遺族との間で和解が成立した。

昨年1月の一審仙台地裁判決は、従業員と教習生全員に対する学校の責任を認め、計約19億1千万円の賠償を命じた。

仙台高裁の小野裁判長は「学校長らが津波で死亡し、被災の客観的事実を確定するのは限界があり、津波の予見可能性の判断に困難を伴う」と和解勧告した理由を説明。津波訴訟で管理者側の責任を問う難しさが示された。

津波の防災マニュアルがなく、適切な避難の指示がなかったことが教習生死亡の一因と、学校側が認めることも和解条件に盛り込まれた。

和解後の記者会見で、遺族の一人は「解決金の金額を見て動揺したが、教習生に落ち度がないことを認めており、お金に代えられない内容だと思い受け入れた」と述べた。学校側は「教習生と従業員の冥福を心から祈り、深く哀悼の意を表します」との談話を出した。

従業員の遺族との和解協議は分離されている。

一審判決は、学校は海岸から約750メートル離れていたが「学校前で消防車両が避難を呼び掛けており、津波を予期できた」と指摘。速やかに避難させなかった学校に安全配慮義務違反があり、当時18~19歳の教習生らの死亡と因果関係があると認めた。教習生らは地震発生後、1時間ほどたってから送迎車両に分乗するなどして学校を出発し、津波にのまれた。

学校側と、役員ら個人の責任が認められなかったことを不服とした一部の遺族が控訴していた。〔共同〕

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