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「核の怖さに気づいて」 被爆者が放射線被害を英訳

早く世界の人々に分かってもらわねば――。広島市の被爆者、児玉光雄さん(83)はそんな焦りから自身の染色体異常にも触れて核兵器の危険性を語ってきた。

今春、手記の英訳本「HIBAKUSHA」を出版し、ケネディ駐日米大使らに渡した。「核をなくさなければ人類は滅びる。オバマ大統領は広島でそのことに気付いてほしい」と話す。

爆心地から約870メートルの旧制広島一中で被爆。粘膜や歯茎から出血し高熱が続いて死にかけ、急性症状を克服しても不調は続いた。戦後、原爆による放射線の影響を調べる目的で、米国が広島に設置した原爆傷害調査委員会(ABCC)に検査のため頻繁に呼び出される。激痛を伴う骨髄穿刺(せんし)を麻酔なしでされて以降、関わりを避けたという。

1975年にABCCの後身として日米共同運営の放射線影響研究所が発足。研究者と知り合う機会があり、2007年に検査を受け、染色体異常を初めて知った。

「一生治らない」と検査後に言われた際の衝撃から知識を深め、染色体異常の写真を示して証言活動を始めた。「多くの人は核兵器が人体に何をするか、あまりにも分かっていない」。体験していない人に証言を引き継ぐ「被爆体験伝承者」の養成にも取り組む。

10年に世界各地を証言しながら回った。英語でも伝えたい思いが強まり今春手記を出版した。「米国が何をしたのか」を知るほどに怒りを感じた時期もある。だが、今は謝罪を求めるつもりはない。「原爆は人間を『壊す』。その怖さを世界に知らせるきっかけにしてほしい」〔共同〕

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