2019年1月21日(月)

阪大と中外が包括提携 創薬研究、関西に集積 広がる産学連携

2016/5/19 23:15
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大阪大学と中外製薬は19日、免疫研究分野で包括提携したと正式発表した。阪大は世界トップ級の免疫分野の研究成果をもとに産学連携を深化させて創薬を加速する。関西には産学連携を進める京都大学があり、国の特区事業でも製薬企業などの拠点誘致を進めている。製薬外資と競うように関西企業でも高い技術を持つ大学と連携し、健康・医療産業都市への飛躍を目指す。

スイスの医薬大手、ロシュ子会社の中外製薬は阪大免疫学フロンティア研究センターに2017年度から10年間、毎年10億円、基礎研究の資金を提供する。阪大はセンターの未発表の研究成果を中外製薬に優先的に開示し、創薬の共同研究につなげる。当面は5~10の共同研究プロジェクトを走らせるのが目標。武田薬品工業と京大の年20億円の提携に続く、関西の大学における大型産学連携の事例となる。

阪大の西尾章治郎学長は「阪大が提案する新しい産学連携の形式だ」と強調。「産業イノベーションの創出が促され、基礎研究の成果から発展した応用研究の実用化が加速する」と中外製薬と組む狙いを説明した。

関西では大学と企業による共同研究が相次ぎ成功している。テルモは阪大と心不全治療用シート「ハートシート」を開発。医薬品医療機器法(旧薬事法)で承認された初の再生医療製品として実用化に成功した。

近畿大学の研究成果をもとに塩野義製薬ががん免疫療法の一つ「ペプチドワクチン」の最終段階の臨床試験(治験)を開始。大日本住友製薬は4月から京大とがん免疫分野での創薬を狙った共同開発プロジェクトを始動させている。

健康・医療産業都市を目指す関西地域は、国家戦略特区と関西イノベーション国際戦略総合特区に指定されている。国家戦略特区では大阪と京都、兵庫の3府県、阪大病院など4機関が認定を受け医療機器メーカーなどの研究拠点の開設が相次ぐ。今後も税制優遇だけでなく、治験や創薬試験などの規制緩和が見込まれている。

産学連携で生み出された医薬品の審査や承認業務などを担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)の支部が全国で初めて大阪に誕生し、新薬承認の早期化が期待されている。ハード・ソフト両面の整備を受けて関西で創薬を進める産学連携の動きが加速しそうだ。

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