2019年1月21日(月)

成長実現へ力不足 頼みの税収増は不透明
骨太素案・一億総活躍プラン

2016/5/19 1:17
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政府は18日まとめた「ニッポン一億総活躍プラン」と経済財政運営の基本方針(骨太の方針)の素案で「名目国内総生産(GDP)600兆円」や財政健全化などの目標達成に向けた戦略を示した。少子高齢化から生じる人手不足に対応しない限り持続成長できないとの危機感がある。ただ雇用改革の抜本策は見えず、財源確保の道筋も不透明だ。

一億プランは安倍政権発足3年目で息切れが見え始めたアベノミクスを再点火する「新三本の矢」として出てきた。掲げた目標の割に、今回出てきた具体策は小粒だ。

柱となる働き方改革の目玉が「同一労働同一賃金」の実現だ。正規社員と非正規社員との賃金差を欧州諸国並みに縮めることを目指す。長時間労働の削減や保育所の整備を通じ、子育てと仕事の両立をしやすくする。

過去15年間で減った労働力は170万人。今や有効求人倍率は1.30倍と約24年ぶりの高水準で人手不足は深刻だ。

一連の取り組みによって労働者数は2020年度には117万人、25年度には204万人増加するとした。改革を通じ働く人が増えれば、賃金総額が上がり、やがて消費に回るという。20年度は13.7兆円、25年度は20.4兆円の消費支出が増え、目標とする600兆円経済に近づく。

正規と非正規の賃金格差を縮めることによって生じる総人件費の膨張を企業が受け入れる仕組みなど、意欲的な目標をどう実現するかは見えない。成長産業に労働移動を促すような制度改革は盛り込まれなかった。

税収の上振れ分を財源に、子育て支援などに使うというが、年初来の円高で企業の減益予想は増えている。税収の増加が安定的に続くかは不透明な部分も多い。税収上振れなどの活用という方針は掲げたが、来年度の税収見通しを固める年末の予算編成までは見通せないのが現実だ。

財政健全化にも言及、国と地方を合わせた基礎的財政収支を20年度までに黒字にする目標も引き続き掲げた。高齢者向けの予算を少子化対策に回すといった対策が考えられるが、痛みを伴う改革は踏み込み不足。経済環境が厳しさを増す中、健全化目標の実現を疑問視する声は多い。

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