耐震基準満たしても全壊 熊本地震 政府、断層帯調査へ

2016/5/14 1:38
保存
共有
印刷
その他

今回の地震では、現行の耐震基準を満たした住宅なども多数全壊した。震源が広範囲に及び、同じ場所が繰り返し強く揺れたことが大きな建物被害につながった。似たような地震が他の地域で発生する懸念もあり、政府は原因となった断層帯の調査を強化する。

4月14日の「前震」、同16日の「本震」の震源となった日奈久(ひなぐ)断層帯と布田川(ふたがわ)断層帯は、不安定な状態が今も続く。日奈久断層帯の南西部、八代市や水俣市の周辺などには、ずれきらなかったひずみが残り、新たな地震の発生につながる可能性がある。

政府の地震調査研究推進本部は、これらの断層帯を改めて調査する方針だ。掘削調査や地形の観察などから過去の活動時期や地震の際のずれの大きさ、断層の分布状況などを調査する。熊本県の震源から約100キロメートル離れた大分県でも、本震の直後に大きな地震が起きた。「本震の地震波が誘発した」(防災科学技術研究所の青井真地震津波火山ネットワークセンター長)とみられる。

日本には2000以上の活断層があるとされる。新潟県から長野県や岐阜県を経て神戸市に至る「ひずみ集中帯」など、同規模の地震が連鎖する恐れがある場所は複数ある。

震度7が2度起きた熊本県益城町を日本建築学会九州支部が調査したところ、耐震基準が厳しくなった2000年以降に建ったとみられる木造住宅51棟が全壊していたことが判明。続けて起きる地震に対して建物の耐震性をどう確保するかも、新たな課題として浮上した。

建物の土台と柱を固定する接合部が壊れていた事例もあり、調査を担当した東京大学の青木謙治講師は「原因などを詳しく調べる必要がある」と指摘する。一方、熊本地方の高速道路は、1995年の阪神大震災の時のような大規模な倒壊は免れており、鉄筋コンクリートによる橋脚の補強などの対策が効果を示したとみられる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]