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熊本城修復へ援軍続々 専門家が調査、全国から義援金

地震で江戸時代からの石垣が崩れ、天守閣も傷ついた熊本城。相次ぐ余震への警戒から修復はもとより、被害の全容解明も進んでいない。こうした中、「熊本復興のシンボルに」と各地の城の管理者らから義援金など協力の申し出が相次ぐ。専門家も公式な調査を待たずに現地調査を始めるなど、熊本城再建に支援の輪が広がる。

「築城400年で経験したことのない未曽有の被害だろう」。東北芸術工科大学(山形市)の北野博司教授は2~3日、熊本城内の石垣の崩落箇所などを見て回った。

震度6強を記録した4月16日未明の地震で、石垣の崩落は50カ所以上。北十八間櫓(やぐら)と東十八間櫓は原形をとどめず、不開門も一部倒壊するなど国の重要文化財の13建造物全てが深刻な被害を受けた。

北野教授は東日本大震災で被災した白河小峰城(福島県白河市)の総工費約50億円規模の修復作業にも携わる。「熊本城の被害は2、3倍ではおさまらない」

再建までには被害調査、撤去、地盤調査、構造設計など長い時間が必要だ。「修復作業は子や孫の代までかかる。市民に修復の経過を見てもらい、文化財としての価値を改めて理解してもらうしかない」と指摘した。

熊本城を管理する熊本市は学識経験者による公式調査には着手できていない。だが、専門家からは調査の申し出が複数寄せられており、市は安全に配慮した範囲内で受け入れている。

全国から「熊本城の復興を支援したい」といった問い合わせも相次いでいる。熊本市が受け付けている熊本城の災害復旧支援金には4月27日までに約2470万円が寄せられた。日本財団は30億円の支援を表明した。

熊本県の蒲島郁夫知事も「熊本城の再建なくして熊本の復興なし」として、被災文化財の再建に向け、寄付金の受付窓口となる口座開設準備を進めている。

全国の城の管理者も応援の手を差し伸べる。姫路城(兵庫県姫路市)は4月18日、「菱の門」に募金箱を設置した。姫路城は2015年3月までの5年間、耐震補強を含む大修理を行った。城谷洋・管理事務所長は「地震はいつどこで起こるか分からず、他人事ではない。困っているときに助けるのは当然だ」と話す。

大阪城や名古屋城なども募金活動を始めている。全国49城が加盟する全国城郭管理者協議会(事務局・首里城)も城郭再建や文化財保護などで協力する考えだ。

支援の広がりに対し、熊本城総合事務所の河田日出男所長は「県民のシンボルでもある熊本城を必ず再建させたい」と力を込めた。

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