日本陸連、福岡国際マラソン終了を発表 注目度低下で
日本陸連は26日、五輪や世界選手権の代表選考レースとして長年実施されてきた福岡国際マラソンを、12月5日の第75回大会を最後に終了すると発表した。近年は東京マラソンや海外の高速レースを優先するトップ選手が多く、注目度が低下。それに伴って財政的に厳しい状況が続き、東京五輪後に幕を下ろすことを決めた。
市民大会として行われている福岡マラソンとの統合も検討したが、福岡中心部を通る「福岡国際」のコースは大勢のランナーを受け入れられないとして断念した。
1947年に「金栗賞朝日マラソン」として熊本で始まり、59年から福岡開催が定着。74年に現在の名称となった。かつては世界のトップランナーが集まり、67年には当時の世界最高記録が誕生。70~80年代には瀬古利彦や宗茂、猛の双子の兄弟らが名勝負を繰り広げ、日本陸上界の発展に大きく貢献した。
昨年10月には世界陸連から「ヘリテージ(歴史遺産)」に選出された。日本陸連の尾県貢専務理事は記者会見で「日本の陸上界にとって、極めて大事な大会の歴史に幕を下ろすことは誠に残念」と述べた。
男子マラソンの大会では、びわ湖毎日が2月28日の第76回を最後に滋賀県での開催を終え、今後は大阪マラソンと統合される。今後の代表選考方法は、春から夏にかけて検討するという。〔共同〕