ラグビーW杯、実質黒字68億円 レガシー事業に
ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会組織委員会は10日、東京都内で理事会を開き、実質的な黒字として68億円を計上した大会収支を了承した。W杯を契機とした競技発展に向けたレガシー(遺産)事業として支出に組み入れ、日本ラグビー協会に渡す。使途は今後検討する。

総額は収支ともに677億円。販売率99%を超えたチケット収入は389億円に達した。レガシー事業に関し、組織委は(1)建て替えられる東京・秩父宮ラグビー場にミュージアムを整備する資金(2)地方自治体が実施する普及事業の助成、実施(3)W杯の再招致とアジア地域のラグビー振興―の三つの基金を創設して各20億円規模を充てるよう日本協会に要請した。
これを受け、日本協会の岩渕健輔専務理事が取材に応じ「組織委の思いを受け止めながらレガシー事業を行いたい」としたものの、組織委から要請のあった三つの基金や資金配分にこだわらず議論する考えを表明。今後協会が公表する2050年までの中長期計画に沿って議論し、若手育成などへの活用も検討したい考えを示した。
また、組織委はW杯で高まったラグビー機運を生かした地域振興を促進するため、自治体連携協議会を立ち上げると発表した。現時点で全国131自治体が参加し、会長は横浜市の林文子市長が務める。〔共同〕