紀平、4回転トーループにも挑戦 22年北京五輪「金」へ決意
フィギュアスケート女子で2022年北京冬季五輪金メダルを目指す紀平梨花(18)=トヨタ自動車=が4日までに共同通信のインタビューに応じた。昨年12月に2連覇した全日本選手権のフリーで03年大会の安藤美姫以来、日本女子で2人目の4回転サルコーに成功。「高さも余裕もあった良いジャンプだった」と振り返り、新たに4回転トーループにも挑戦する意向を示した。

出来栄えで3点以上の加点を得た冒頭の4回転サルコーは跳び上がるまでの動作に成功の鍵があった。「助走のコースや踏み切るタイミングがちょっとでもずれると跳べない。練習でどうやって跳んでいたかという形をイメージし、それとマッチした。浮き上がった瞬間にいけると思った」
17年7月に日本スケート連盟のジュニア強化合宿で初めて着氷して以降、試行錯誤を繰り返した。「4回転を構成に入れないと五輪で勝てないと思っていた。本当は昨季から構成に入れたかったけど、跳べないと分かって挑むのは嫌だった。やっと今回、感覚がいい状態で試合に臨めた」と安堵の表情を見せた。
4回転を跳ぶ強敵ロシア勢と戦える大きな武器を手にし「今はやるべきことをやれば結果はついてくると思えている。相手と比べるのではなく、自分ができる限界のぎりぎりのラインを攻めるというのを意識してやっている。自分の計画通りにできれば勝負できる」と自信を深めた様子だ。
昨夏から拠点とするスイスで指導を受ける元世界選手権王者のステファン・ランビエル氏とは新たな大技習得への取り組みも始めている。「トーループは3回転を一から教わり、型にはまったものができてきた。きれいな3回転ができれば4回転もできる。これから練習をしていきたい」
新型コロナウイルスの感染状況を見極めた上で1月中にもスイスに向かいたいという。北京五輪出場枠が懸かる世界選手権(3月・ストックホルム)に向け「自分史上最高の演技」を目標に掲げ「全日本ではまだまだ修正が必要なジャンプがあった。ステップもベストではなかったし、曲の雰囲気も演じきれなかった。これ以上は点数を稼げないという演技をしたい」と決意を新たにした。〔共同〕