矢野経済研究所、国内スポーツアパレル市場に関する調査結果を発表
発表日:2021年12月07日

スポーツアパレル市場に関する調査を実施(2021年)
2021年のスポーツアパレル国内出荷金額は前年比9.7%増(見込)も、2019年の水準までには届かず
~コロナ禍の影響が残る中、2021年のゴルフウエア市場のみ2019年比100.1%を確保~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は国内スポーツアパレル市場を調査し、競技カテゴリー別の市場規模や、参入メーカーや流通の動向、将来展望を明らかにした。
※表資料は添付の関連資料を参照
1.市場概況
2021年のスポーツアパレル国内市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年比109.7%の5,350億円となる見込みである。
2020年のスポーツアパレル市場は小売店舗の休業や営業短縮などコロナ禍の影響を多大に受け、販売不振に苦しむ小売業各社からはスポーツアパレルメーカーに対して発注キャンセルの依頼が相次いだ。メーカーがこうした要望を最大限受け入れて商品出荷を自重したことにより、店頭販売不振のなかでも流通在庫は大幅に削減された状況で2021年を迎えた。このように、メーカー各社の「我慢」により小売業各社の商品仕入の余地が広がったことで、2021年のスポーツアパレル市場は2020年から一定の回復を果たす見込みである。
しかし、2021年の出荷金額はコロナ禍前の2019年比95.2%とマイナス成長となり、スポーツアパレル市場が本格的に回復しているとは言えない。要因として挙げられるのはコロナ禍であり、2021年になっても国民のスポーツへの参加機会や参加時間も以前の状況には戻っていない。特に夏場から秋口にかけての感染拡大で小売店の販売は不振を極めている。
2.注目トピック
・参加者増によりゴルフウエア好調
2021年のゴルフウエア市場は、2019年比100.1%の910億円を見込み、全12カテゴリーの中で唯一、ゴルフウエアのみ2019年の水準を僅かに上回る見込みである。ゴルフについては、いわゆる「三密」にあたらない屋外型のアクティビティとして認知されており、若年齢層を中心に新規参入ゴルファーが増加しており、ゴルフ練習場の多くは2021年に入っても施設利用者数前年比二桁増が続いている。特に、秋のゴルフシーズンに入ってからの土日は人気の高いゴルフ場の予約がなかなか取れないなど活況を呈しており、これがゴルフウエア市場の好調につながっていると考える。
但し、2021年春夏物の発注が行われる時点でここまでの好況を予測した関係者は少なく、メーカーの生産・小売店の発注ともに抑え気味であったため、小売店では在庫切れによる売り逃しが多発した。また、主要生産国のひとつであるベトナムにおいてロックダウンの影響で工場が稼働停止となり、秋冬物の商品が生産中止となるケースも多くなっている。
このように供給不足に悩まされている面はあるものの、コロナ禍を背景とした参加者増により、ゴルフウエア市場は他カテゴリーと比較すると好調に推移している。
※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
表資料
https://release.nikkei.co.jp/attach/623166/01_202112071048.png
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/623166/02_202112071048.pdf
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