理研と東大、室温で単一スキルミオンの電流駆動に成功
発表日:2021年11月24日

室温で単一スキルミオンの電流駆動に成功
-スキルミオンの電子デバイスへの応用に期待-
理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター電子状態マイクロスコピー研究チームのポン・リソン基礎科学特別研究員、于秀珍チームリーダー、強相関物質研究グループの軽部皓介研究員、田口康二郎グループディレクター、永長直人副センター長(理研創発物性科学研究センター強相関理論研究グループグループディレクター、東京大学大学院工学系研究科教授)、十倉好紀センター長(理研創発物性科学研究センター強相関物性研究グループグループディレクター、東京大学卓越教授/東京大学国際高等研究所東京カレッジ)らの研究グループは、室温で単一の「スキルミオン[1]」を電流によって駆動することに成功し、その動的な振る舞いを観察しました。
本研究成果は、スキルミオンを用いた電子デバイスへの応用研究に寄与するものと期待できます。
これまで、キラル磁性体[2]中の単一のスキルミオンは、-150℃の低温条件下では電流によって駆動できることが報告されていましたが、室温で駆動させた例はありませんでした。
今回、研究グループは、キラル磁性体 Co9Zn9Mn2(Co:コバルト、Zn:亜鉛、Mn:マンガン)の薄板にナノ秒(ns、1nsは10億分の1秒)のパルス電流を流すことにより、室温で約100ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)サイズの単一スキルミオンを生成させ、その運動を追跡することに成功しました。その際、磁場の向きを反転させてスキルミオンのトポロジカル数[3]の符号が反転すると、そのホール運動[4]の方向も反転することが分かりました。
本研究成果は、オンライン科学雑誌『Nature Communications』(11月24日付:日本時間11月24日)に掲載されます。
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