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東大と横浜市大、細胞内へのポリアミン輸送メカニズムを解明

発表日:2021年11月19日

細胞内へのポリアミン輸送メカニズムの解明

1.発表者:

富田 篤弘(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 博士課程)

大保 貴嗣(旭川医科大学生化学講座 准教授)

草木迫 司(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 助教)

山下 恵太郎(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 助教(研究当時)/MRC 分子生物学研究所 博士研究員(現所属))

小笠原 諭(千葉大学大学院理学系研究科基盤理学専攻 特任准教授)

村田 武士(千葉大学大学院理学系研究科基盤理学専攻 教授)

西澤 知宏(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 准教授(研究当時)/横浜市立大学大学院生命医科学研究科 生体膜ダイナミクス研究室 教授(現所属))

濡木 理(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授)

2.発表のポイント:

◆リソソーム(注1)内腔から細胞内へとポリアミン(注2)を輸送するATP13A2(注3)の立体構造を解明することに成功しました。

◆ポリアミンを輸送する時のさまざまな状態の立体構造を捕らえ、ポリアミン輸送メカニズムを詳細に解明することに成功しました。

◆ATP13A2の遺伝性変異がパーキンソン病に関与していることから、これらの疾患の理解につながることが期待されます。

3.発表概要:

ポリアミンは、生体内で必須な化合物であり、中でもポリアミンの一種であるスペルミンは、転写の活性化・重金属や活性酸素(注4)からの細胞の保護などの重要な機能を担っています。スペルミンは、エンドサイトーシス(注5)によってリソソーム内腔へ運ばれた後に、P型ATPアーゼ(注6)の1つであるATP13A2によって細胞質側へと取り込まれます。しかし、スペルミンを輸送するATP13A2の基質認識および輸送機構は明らかにされていませんでした。

今回、東京大学大学院理学系研究科の濡木教授らのグループは、ヒトが持つATP13A2の立体構造を、クライオ電子顕微鏡(注7)を用いた単粒子解析法(注8)によって明らかにしました。また、ATP13A2がATPを利用して、スペルミンを輸送する過程を捉えた複数の状態の立体構造を明らかにすることに成功しました。ATP13A2は、リソソーム内腔側に長いトンネル状のポケットをつくりだし、スペルミンはその細長い分子の形状に合わせて広く認識されており、このトンネル状のポケットを沿って輸送されることがわかりました。このような基質の認識・輸送機構は新規な知見であり、ATP13A2の変異による疾患のさらなる理解につながると期待されます。

本研究成果は日本時間11月19日(金)午前1時に米国科学雑誌 Molecular Cell でオンライン公開予定です。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach/622016/01_202111181507.pdf

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