横浜市大と横浜国大、天然物由来カーボン量子ドットの光デバイス化に成功
発表日:2021年11月08日

天然物由来カーボン量子ドットの光デバイス化に成功
横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科の橘 勝 教授、鈴木 凌 助教らの研究グループは、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の平井 匡彦 博士、横浜国立大学の谷村 誠 准教授らとの共同研究により、天然物由来のカーボン量子ドット(C-QDs)(*1)からデバイスを試作し、エレクトロルミネセンス(EL)(*2)の観測に世界で初めて成功しました。
本研究成果は、米国化学会の学術雑誌「ACS Applied Nano Materials」に掲載されます。(10月21日オンライン公開)
<研究成果のポイント>
●天然物由来のC-QDsからデバイスを試作し、ELを世界で初めて観測
●人工物由来と同等の光強度のEL(ブルー・グリーン)を観測
●C-QDsの表面官能基とミネラルの含有による固体発光の実現
●環境調和性に優れた安価で簡便なELデバイスへの実用化に期待
※図は添付の関連資料を参照
■研究背景
近年、新たな発光材料としてC-QDsが注目され、ディスプレイや照明などの大規模な市場への展開に向けて、ELデバイス等への実用化への期待が高まっています。当研究グループは、天然資源の有効利用や環境調和性の観点から、天然物からのC-QDsの簡便合成法(2019年)や高効率合成法(2020年)の開発に相次いで成功し、環境にやさしく安価で簡便な材料を発明したとして世界的に注目されていました。しかし、天然物由来のC-QDsは、固体状態では発光強度が著しく低下するため、ELへの応用は限られていました。本研究では、材料科学とデバイス作製のスペシャリストの国際的な連携によって、天然物由来のC-QDsからのELデバイス試作および発光観測に成功しました。
※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
図
https://release.nikkei.co.jp/attach/621163/01_202111081445.JPG
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/621163/02_202111081445.pdf