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横浜市大、心筋炎の改善や心筋症の発症予防における治療薬候補を発見

発表日:2021年10月26日

心筋炎の改善や心筋症の発症予防における新たな治療薬候補を発見

横浜市立大学大学院医学研究科 救急医学 西井基継講師や、本学医学部6年生の高熊朗さんらの研究グループは、自己免疫性心筋炎心筋症モデルを用いて、プロスタグランジンE2受容体4(EP4)(*1)刺激が心筋炎による心ポンプ失調を改善するのみならず、拡張型心筋症の発症を阻止することを世界に先駆けて明らかにしました。本研究の成果は、若年者の重症心不全の代表疾患であり、有効な薬物治療がない劇症型心筋炎や特発性拡張型心筋症(*2)の新たな治療法開発に資することが期待されます。

本研究成果は、自然科学誌「Scientific Reports」に掲載されます。(日本時間2021年10月26日18時)

【研究成果のポイント】

● EP4受容体作動薬が、劇症型心筋炎を改善するのみならず心筋炎後拡張型心筋症の発症を阻止する可能性が示唆された。

● 心筋炎後心室リモデリングおよび心臓線維化を制御する新たな分子機序として、EP4受容体刺激による組織型メタロプロテアーゼ阻害因子(TIMP)3(*3)の正制御が、持続的マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)2(*4)活性による過剰な心筋細胞外基質代謝(*5)を抑制することを明らかにした。

【研究背景】

近年、心不全による死亡は増加の一途を辿っており、心不全対策は世界的な課題です。特に、心筋炎の劇症化(心ポンプ不全)と、その後の特発性拡張型心筋症(IDC)は若年者における重症心不全を来す代表的な心疾患です。IDCは既存の標準的心不全治療薬に対して反応性が悪く、根本治療として心移植しかありません。IDCの治療薬開発は喫緊の課題とされています。

心筋炎からIDCへの進展においては、自己免疫応答とそれに伴う心室リモデリング(心室再構築)や心臓線維化が重要であることが示唆されてきました。これまで、EP4は心筋に多く存在し、組織炎症に重要な役割を果たすことが報告されており、虚血性再還流モデルマウスでは心室リモデリングを改善することが示されてきました。しかしながらEP4のIDCにおける治療効果とその機序はこれまで不明でした。

そこで本研究では、心筋炎およびIDCの解析に有用な自己免疫性心筋炎マウスモデル(EAM)を用いて、EP4刺激の難治性心不全における治療的意義とその分子機序を検討しました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach/620210/01_202110251053.pdf

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