東邦大、DHA・EPAは電位依存性Ca2+チャネルに依存した収縮反応を抑制することを明らかに
発表日:2021年08月10日
ドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)は下部消化管平滑筋の収縮反応を抑制する
~DHA、EPAは電位依存性Ca2+チャネルに依存した収縮反応を抑制する~
東邦大学薬学部薬理学教室の田中芳夫教授らの研究グループは、魚油に多く含有され、健康食品成分としても注目されているドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)が下部消化管平滑筋の収縮反応を非選択的に抑制することを明らかにし、それらの抑制機序として、DHA及びEPAの有する電位依存性Ca2+チャネルの活性化を介した反応を抑制する性質が関与することを見出しました。この研究成果は、雑誌「Biological and Pharmaceutical Bulletin」にてHighlighted paper selected by Editor-in-Chief及びFeatured Articleとして推薦され、2021年8月1日に掲載されました。また、本成果は、掲載号(44巻8号)の表紙カバーイラストにも選出されています。
◆発表者名
小原 圭将(東邦大学薬学部薬理学教室 講師)
吉岡 健人(東邦大学薬学部薬理学教室 助教)
田中 芳夫(東邦大学薬学部薬理学教室 教授)
◆発表のポイント
●DHA及びEPAは、抗炎症作用により、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患を改善することが知られていますが、下部消化管の運動機能に対するDHA及びEPAの効果はほとんど研究されていませんでした。
●本研究では、DHA及びEPAがモルモット回腸縦走筋、結腸縦走筋の収縮反応を非選択的に抑制し、これらの抑制にはDHA及びEPAの有する電位依存性Ca2+チャネルの活性化を介した反応を抑制する性質が関与することを見出しました。
●本結果は、DHA及びEPAが、電位依存性Ca2+チャネルに依存した回腸・結腸の収縮反応を抑制することで、炎症性疾患に関連する下部消化管の収縮機能異常を改善できる可能性を示唆しています。
※以下は添付リリースを参照
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添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/615978/01_202108101444.pdf
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