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東大、コロナ下で不足するN95マスクの再利用手法を開発

発表日:2020年12月17日

コロナ下で不足するN95マスクの再利用手法を開発

~静電気体験装置でマスクの静電気を復活させ、フィルター能力を回復~

1.発表者:

杉原 加織(東京大学 生産技術研究所 講師)

2.発表のポイント:

◆洗浄により一度失われたN95マスクの静電気をリチャージする手法を開発した。

◆ヴァンデグラフ起電機という、科学博物館などでよく見られる安価で安全な装置を用いる。

◆コロナ下で供給不足のN95マスクを含めたポリプロピレンフィルターの再利用の可能性を示唆するものである。

3.発表概要:

コロナ感染症で使用されているN95マスクは、ポリプロピレンに帯電した静電気によりくしゃみなどの飛沫を捉えることでウィルスをフィルターする。世界中の医療機関での不足により再利用方法が検討されてきたが、アルコールの噴霧、洗浄、煮沸、オートクレーブ(高温高圧下での除菌)などの一般的なウィルス不活性化手法を用いた再利用はそのままでは使えない。何故なら、静電気は水や湿気に弱いため、これらの手法は静電気を減少させフィルター効果を低下させてしまうからである。

東京大学 生産技術研究所の杉原 加織 講師らの研究グループは、一度失われたN95マスクの静電気をヴァンデグラフ起電機と呼ばれる安価で安全な装置を用いてリチャージする手法を開発した。ヴァンデグラフ起電機は科学博物館などによく展示されている、静電気のデモンストレーションに使用される器具であり、100キロボルト程度の高電圧を発生することができるにもかかわらず、実際に触ることで静電気を体験できる安全な装置である。この手法でリチャージされたマスクはフィルター能力も回復するため、この結果はN95マスクを含めポリプロピレンフィルターの再利用の可能性を示唆するものである。

ヴァンデグラフ起電機を用いたN95マスクのリチャージに関する研究成果は、2020年12月17日にRoyal Society of Chemistryによる「Soft Matter」に掲載される。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach/601830/01_202012151456.pdf

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