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横浜市大・国立がん研究センター、ヒト由来中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)モデルの樹立に成功

発表日:2020年10月16日

中枢神経原発悪性リンパ腫 PCNSLの原因と進行のメカニズムおよび治療標的分子の解明

横浜市立大学学術院医学群 脳神経外科学 立石健祐助教、三宅勇平助教、山本哲哉教授、国立がん研究センター 細胞情報学分野 河津正人ユニット長、間野博行分野長、脳腫瘍連携研究分野 市村幸一分野長らの研究グループは、独自に樹立したヒト由来脳腫瘍マウスモデル(PDXモデル)を通じて、中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)の腫瘍形成・進展機序の解明とともに、標的となる分子機構を明らかにしました。今回樹立したPCNSLのPDXモデルは生体における治療反応性を高いレベルで再現できることから、同モデルを用いることで今後の新規治療法開発の進展が期待されます。

本研究は、『米国癌学会誌 Cancer Research』に掲載されます。(米国時間10月16日10時付:日本時間10月16日23時付オンライン)

■研究成果のポイント

○世界最大規模のヒト由来中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)モデルの樹立に成功した

○網羅的遺伝子解析や細胞動物実験等を通じてPCNSL進展機序と治療標的分子を明らかにした

■研究の背景

中枢神経原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma; PCNSL)は中枢神経(脳・脊髄)及び眼内に限局した悪性リンパ腫を指します。

PCNSLは全脳腫瘍のうち、1993年に1.9%、2009年に3.1%、2017年に4.9%と増加傾向にあります(脳腫瘍全国集計調査報告第14版2017)。全身性悪性リンパ腫と比較して一般的に予後不良であるとともに、標準的治療であるメソトレキセート(MTX)と全脳への放射線照射併用による治療は、再発率が高いだけでなく、遅発性に白質脳症を誘発することで中枢神経機能を悪化させるリスクが知られています。このため生命予後と機能予後を改善させる治療法の開発が望まれています。

PCNSLに高頻度に存在するMYD88/CD79B変異などの分子異常はがん増殖の主要なシグナルであるNF-kB経路を活性化させるため、これらの遺伝子異常はPCNSLの発生・進行に重要であると考えられていました。しかしながらこれらの仮説の検証に必要な細胞・動物モデルは、PCNSL自体の希少性や技術的に樹立困難とされており、研究発展の妨げとなっていました。そこで、研究者らのグループは、免疫不全マウス脳内にPCNSL細胞を移植することでPCNSLのヒト由来脳腫瘍モデル(patient-derived xenograft; PDX)を樹立し、このモデルを通じて病態の解明と治療標的分子の同定を行うことを考えました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0541811_01.pdf

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