富士キメラ総研、バイオプラスチック(植物由来の原料を用いたプラスチック)の世界市場調査結果を発表
発表日:2020年9月17日

バイオプラスチックの世界市場は23年に310.7万トンの予測
―2023年世界市場予測(2019年比)―
■PLA 37.2万トン(92.7%増)
~メーカーの生産能力増強、新規参入により生産量が増加し、市場拡大~
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志)は、環境に対する意識の高まり、SDGsなどによって企業価値を向上する要素として認識され、近年採用が増えているバイオプラスチック(植物由来の原料を用いたプラスチック)の世界市場を調査した。その結果を「2020年 バイオケミカル・脱石油化学市場の現状と将来展望」( https://www.fcr.co.jp/report/201q03.htm)にまとめた。
この調査ではバイオプラスチック18品目のほか、バイオプラスチックの原料にもなるバイオ化学品22品目、バイオプラスチックの添加剤3品目、原油や天然ガスを原料としない脱石化プラスチック3品目やバイオ燃料4品目のバイオケミカル・脱石油化学製品市場の現状を把握し、将来を予測した。
<注目市場>
■バイオプラスチックの世界市場
○2019年:265.2万トン
○2023年予測:310.7万トン
○2019年比:117.2%
※グラフ資料は添付の関連資料を参照
バイオプラスチックは性能や加工技術の向上、積極的に環境対応を進める企業の増加により、容器・包装などで採用が着実に増えており、市場は拡大している。特にPLAやバイオPEなどが国内外で採用が進んでおり、海洋汚染問題などが注目されることでバイオPBSやバイオPBATなど生分解性プラスチックのニーズが高まっている。
2020年はPLAやバイオPE、バイオPETなどは拡大するものの、新型コロナウイルス感染症の影響により自動車で採用が進んだバイオプラスチックの需要が落ち込んでおり、市場はわずかながら縮小が予想される。2021年以降はメーカーの生産能力増強、バイオプラスチックの採用増加により、堅調な拡大が続くとみられる。
用途別では、ボトル類の比率がもっとも大きく、飲料用ボトルなどでバイオPETの採用が進んでいる。次いで大きいのが軟包装フィルムで、レジ袋が多くバイオPEやでんぷん系が使用される。世界的にレジ袋の有料化が進んでおり、販売されるレジ袋もバイオプラスチックが使用されることが多い。
食品容器やストロー・カトラリーはPLAの採用が多い。特にストロー・カトラリーでは生分解素材ニーズが強く、ポリマーだけではなく添加剤も含めた生分解性が要求されている。
自動車は塗料や各種部品、内外装材と幅広くバイオプラスチックが採用されており、PTTとバイオPETは環境対応を目的に一部の高級車で内装材として、バイオPAは燃料ホースやラジエータータンクなどで採用される。
<注目のバイオプラスチック>
■PLAの世界市場
○2019年:19.3万トン
2023年予測:37.2万トン
2019年比:192.7%
PLAはバイオプラスチック市場をけん引している。ポリマー価格は汎用樹脂レベルに近づいており、近年では脱プラスチックニーズの高まりから需要が増加し、供給が追い付いていない。今後参入メーカーの生産能力増強や新規メーカーの参入も予想されるため、2020年以降も二桁成長が予想される。
主な用途は食品容器であり、PETやOPS(二軸延伸ポリスチレン)の代替としてサラダやフルーツの透明容器で使用されている。このほか、ストロー・カトラリー、軟包装フィルムなどで採用が進んでいる。
※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
グラフ資料
https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0540552_01.JPG
添付リリース
関連リンク
関連企業・業界