プレスリリース

東大、高容量リチウムイオン電池の正極材料「Li2MnO3」の充電過程を原子レベルで解明

2020/9/8 18:00
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発表日:2020年9月8日

現状リチウム電池を超える次世代高容量リチウム電池の充電過程を初めて原子レベルで解明

~電池の劣化機構の解明と長寿命へ向けた展開へ~

1.発表者

幾原 雄一(東京大学大学院工学系研究科 附属総合研究機構 教授)

柴田 直哉(東京大学大学院工学系研究科 附属総合研究機構 教授)

石川 亮(東京大学大学院工学系研究科 附属総合研究機構 特任准教授)

仲山 啓(東京大学大学院工学系研究科 附属総合研究機構 特任研究員)

2.発表のポイント

◆原子分解能を有する最先端走査透過型電子顕微鏡(STEM)(注1)と集束イオンビーム(注2)により、次世代の高容量リチウムイオン電池(注3)の正極材料として注目されているLi2MnO3における充電過程を原子レベルで初めて明らかにしました。

◆電池の性能や寿命を支配するリチウムイオンの脱離(充電)は、正極材料での酸素放出による格子膨張およびナノ界面に導入された原子配列の乱れである転位(注4)により進行することが明らかになりました。

◆今回提案の電池の充放電過程を原子レベルで解明する手法は、さまざまな材料系への応用が可能であり、高容量かつ長寿命な電池材料の開発に向けた展開が期待されます。

3.発表概要

東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構の幾原雄一教授、柴田直哉教授、石川亮特任准教授および仲山啓特任研究員のグループは、原子分解能を有する最先端の走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用い、高容量リチウムイオン電池の正極材料であるLi2MnO3の充電過程における原子レベルでの劣化機構を初めて明らかにしました。Li2MnO3に代表される「リチウム過剰系」は次世代の高容量正極材料として大きく期待されていますが、充放電の繰り返しに伴う容量や電位の低下が大きな課題となっています。今回のSTEMによる原子レベルでの直接観察により、材料中の酸素が分解し放出される過程、および原子配列の乱れである転位の形成が主な劣化原因であることを初めて明らかにしました。今回、この劣化過程が解明されたことにより、例えば、Mnの一部を酸素との結合性が高いCoやNiなどの遷移金属で置換することにより、酸素放出および局所構造の乱れを抑制し、長寿命かつ高容量なリチウムイオン電池の創成が期待できます。本研究成果は、日本時間9月8日(火)午後6時(英国夏時間:8日(火)午前10時)に英国科学誌「Nature Communications」で公開されます。

本研究成果は一般財団法人ファインセラミックスセンターとの共同研究による成果であり、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業「革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISING2)」の一環として実施されました。また、科学研究費補助金である特別推進研究「原子・イオンダイナミックスの超高分解能直接観察に基づく新材料創成」の助成を受けて実施されました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0539886_01.pdf

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