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東大、超薄型有機ELフィルムが発する光でニューロンの興奮を誘発することに成功

発表日:2020年8月18日

超薄型有機ELフィルムが発する光で、ニューロンの興奮を誘発することに成功

~ニューロンを傷つけない特徴を活かして、神経難病の治療への応用に期待~

1. 発表者:

関野 正樹(東京大学 大学院工学系研究科 准教授)

横田 知之(東京大学 大学院工学系研究科 准教授)

染谷 隆夫(東京大学 大学院工学系研究科 研究科長・教授)

2. 発表のポイント:

・刺激用光源としては例のない2μmの薄さのフィルム状有機EL素子を開発し、光応答性ニューロンを有する動物の脳や神経を刺激することに成功した。

・開発した素子は従来の神経刺激用光源と異なり、極めて柔らかいため貼付した神経に機械的損傷を与えず、光強度が均一であるため照射ムラによる発熱を生じにくい。そのため脳機能計測の標準的な機器であるMRIの中でも使用できることが示された。

・将来、幹細胞を用いた神経や筋肉の治療において、組織へ導入した幹細胞の分化を誘導するデバイスへの応用などが期待される。

3. 発表概要:

東京大学大学院工学系研究科の関野正樹准教授、金東●特任研究員(◇)、横田知之准教授、および染谷隆夫研究科長・教授らは、ニューロンを光で刺激することができる、フィルム状の有機ELデバイスを開発しました。このデバイスは、光応答性ニューロンの刺激に有効な青色の光を発生し、曲がった状態でも発光することができます。デバイスを用いて運動ニューロンを刺激すると、筋肉の収縮が観察されました。このデバイスは、これまで用いられてきた光ファイバーや硬いLEDなどと異なり柔軟で、光の照射が均一であるため、神経へ留置しても機械的損傷による炎症反応を誘発せず、局所的な発熱も見られませんでした。また導電層が薄いため、一般的に金属含有体を苦手とするMRIの中でも問題無く使用でき、脳への光刺激によって誘発される脳活動を検出することができました。将来、神経や筋肉の難病を治療するために組織へ幹細胞を導入する手法が期待されており、幹細胞に光を照射することによって分化を誘導するデバイスへの応用などが期待されます。

本研究成果は、2020年8月17日(米国時間)に米国アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」のオンライン版で公開しました。

◇特任研究員名の正式表記は添付の関連資料を参照

本成果は、以下の事業・研究プロジェクトによって得られました。

 ・科学研究費助成事業(科学研究費補助金)

  ○研究課題/領域番号:17H06149

  ○研究種目:基盤研究(S)

  ○研究プロジェクト:「拍動する心筋細胞シートを用いた伸縮性多点電極アレイによる薬物反応の評価」

  ○研究代表者:染谷 隆夫(東京大学 大学院工学系研究科 教授)

  ○研究期間:2017年5月~2022年3月

 ・戦略的創造研究推進事業(ERATO)

  ○グラント番号:JPMJER1105

  ○研究プロジェクト:染谷生体調和エレクトロニクス

  ○研究代表者:染谷 隆夫(東京大学 大学院工学系研究科 教授)

  ○研究期間:2011年10月~2017年3月

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

特任研究員名の正式表記

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0539055_01.pdf

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0539055_02.pdf

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