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奥村組とジャスト、「AIを用いた下水道管渠の損傷検出システム」を開発

企業:奥村組

発表日:2020年5月20日

AIを用いた下水道管渠の損傷検出システムを開発

-自動検出による調査業務の効率化と損傷判定品質の確保を実現-

株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、社長:奥村太加典)と株式会社ジャスト(本社:横浜市青葉区、社長:安藤純二)は、下水道管渠の維持管理における、管渠内部の調査業務を効率化しつつ、損傷判定品質の確保を実現する「AIを用いた下水道管渠の損傷検出システム」(以下、本システム)を開発しました。

【背景】

標準耐用年数の50年を経過する下水道管渠が、今後増加していくことにともない、それらに対する修繕・改築といった老朽化対策の要否を判断するために行う詳細調査のニーズが高まると見込まれます。一方で、労働人口の減少などにより、調査・診断業務を行う熟練技術者の不足が懸念されています。

【概要】

下水道管渠の詳細調査は、直視レンズのテレビカメラ機器で管渠内部を撮影し、現場でその映像をもとに損傷個所を検出するとともに損傷判定結果を映像に付記して録画する「従来型テレビカメラ調査」と、広角レンズのテレビカメラ機器で管渠内部を撮影し、事務所で録画映像による損傷判定等を行う「広角テレビカメラ調査」の二つの方式があります。「広角テレビカメラ調査」は、側面や天井を撮影する際にカメラを上下左右に操作する必要がなく、管渠内部をテレビカメラが自走しながらスムーズに撮影する上、損傷判定等の作業を天候の影響を受けない事務所内で行える利点があり、今後主流となることが見込まれます。

今回開発した本システムは、この「広角テレビカメラ調査」にAIを用いて、技術者の判定結果を高精度に再現(※1)するもので、本システムを導入することにより、調査業務のさらなる効率化と損傷判定品質の確保を実現することができます。適用対象は、管径φ200mmからφ800mmの鉄筋コンクリート管と陶管で、広角テレビカメラで撮影した動画を、既存ソフトを使って展開画像への変換と画像分割を行った上で本システムに入力します。その画像をAI解析して管構造情報(取付管の位置、管のジョイント位置)と損傷情報(損傷の位置、種類、傷の程度)を1スパン(約30m)あたり15秒程度(一般的な性能のパソコンに本システムを導入し試行)で取得します。AIが損傷箇所を抽出(無損傷箇所との区分)するので、技術者は、これまでのように全延長を確認する必要がなくなり、作業量が軽減される上、解析結果としてシステムから自動出力される、損傷情報を付記した展開画像、および管構造情報と損傷情報のリストの確認に注力できるため、損傷判定精度の向上も見込めます。また、出力された解析結果は、調査業務報告書の資料としても活用できるため、報告書作成業務も軽減されます(図-1)。

※1:AI解析で出力された損傷の検出精度は、技術者が検出した結果(評価用データ)を高精度に再現しています(図-2)。検出精度の目安として再現率(※2)を分割画像単位で整理した結果、管構造情報の検出項目「取付管位置」については、鉄筋コンクリート管と陶管で平均99.0%(学習データ数平均:2,320)、損傷情報の検出項目「侵入水」については平均85.5%(学習データ数平均:562)、損傷情報の検出項目全体の平均では72.2%となりました。

※2:再現率(Recall)とは、技術者の検出結果に対して、AIが同様に検出したものの割合を指す。ここでは、分割画像単位で示した割合(技術者が「損傷あり」とした数のうちAI解析も「損傷あり」とした数/技術者が「損傷あり」とした数)の集計。

【今後の展開】

今後は、本システムを実際の調査業務に適用し、現在行われている調査方法との業務効率の比較や再現性の検証を行います。また、教師データの収集とAIの再学習による検出精度の向上、管の種類や管径などの適用範囲の拡大を進め、本システムの機能向上を図ります。

*図-1・2は添付の関連資料を参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

図-1

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0534245_01.png

図-2

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0534245_02.png

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