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東大、地上大型電波望遠鏡により土星の衛星タイタンの大気成分の詳細な観測に成功

2020/2/14 15:25
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発表日:2020年2月14日

地上大型電波望遠鏡により、土星の衛星タイタンの大気成分の詳細な観測に成功

~太陽系外からの放射線が大気成分に与える影響を明らかに~

■発表者

・飯野 孝浩(東京大学情報基盤センター 特任准教授)

1. 発表のポイント

●地上大型望遠鏡「アルマ(注1)」を用いて、地球以上に複雑でぶ厚い大気を持つ土星の衛星「タイタン(注2)」の大気を観測し、微量な分子ガスが放つ電波の検出と解析に成功。

●太陽系の外から降り注ぐ「銀河宇宙線(放射線の一種)」が、タイタンの大気の成分に影響を与えていることを世界で初めて観測的に明らかにした。

●最先端の地上望遠鏡と解析技術を組み合わせることで、天体を直接訪れる探査機にも比肩する科学成果を挙げられることを示した。

※参考画像は添付の関連資料を参照

2. 背景:

土星の衛星「タイタン」は、地球同様に窒素を主成分とし、地表で1.5気圧という分厚い大気を持つ天体です。

大気中には地球大気には見られないような複雑な分子ガスが存在し、これらは多様な化学過程を経て生命の構成要素であるアミノ酸を生成する可能性すら指摘されています。そのため、タイタン大気における化学過程の解明は、現代の惑星科学の重要なトピックとなっています。実際にアメリカ航空宇宙局(NASA)が送り込んだ探査機「ボイジャー」や「カッシーニ」はタイタンの詳細な観測を行っており、大気内にシアン化水素やプロパンといった多様な分子ガスが存在すること、その量が季節によって1000倍程度もダイナミックに変化することなどを示してきました。

しかしカッシーニ探査機は2017年にミッションを終了して廃棄されてしまっており、さらなる研究の進展のためには、地上大型望遠鏡を用いた観測・解析技術の構築が必要でした。

3. 手法と成果

研究グループは、南米チリに設置された大型電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」を用い、タイタンの成層圏に10ppb(大気全体の1億分の1ほど)とごくわずかに存在する複雑な分子「アセトニトリル(示性式CH3CN)(注3)」と、さらにその1/100ほどしか存在しない「窒素同位体(注4)(CH3C15N)」が放つ、微弱な電波の同時検出に成功しました。そして、検出した電波の特徴の詳細な解析(注5)からアセトニトリルの窒素同位体の存在量を明らかにし、さらに近年の大気化学シミュレーション研究との比較により、タイタン大気におけるアセトニトリルの生成には太陽系外から飛来する放射線(銀河宇宙線、注6)が重要な役割を果たしていることを世界で初めて確認しました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

参考画像

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0529012_01.JPG

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0529012_02.pdf

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