発表日:2020年1月16日
チェルノブイリ原発周辺の森林火災跡地では地表流が発生しやすくなり放射性物質を含む土砂移動(再拡散)が起こっていることが明らかになった
【ポイント】
●チェルノブイリ原発の半径30km圏内(規制区域内)にある森林火災跡地にて、地表流(注1)の流量を観測した。森林火災跡地では、火災の影響がなかった周辺の森林地に比べて、地表流の流量が約2.7倍も多く、地表流に含まれて移動する放射性物質は約30倍であることが明らかになった。
●地表流に含まれる放射性物質は、地表流の水中に溶けた状態よりも、水中に浮遊する微細な土壌粒子などに吸着した状態で移動する傾向にある。
●火災の影響がなかった森林地で採取した地表流にも放射性物質が含まれていたが、その量は1987年の測定値と比べて減少していた。これは、1987年には地表面に存在していた放射性物質が地下へ浸透し、現在は地表面の放射性物質が少なくなっているためと考えられた。
●以上の結果から、森林火災跡地からの放射性物質の拡散を防ぐには、地表流による土砂流出を抑えることが有効だと考えられた。
<研究の背景>
1986年、ウクライナのチェルノブイリで原発事故が発生した。原発事故の後、原発中心地から半径30km圏内が規制区域に指定され、現在も人々の立ち入りが制限されている。この規制区域の森林地には、原発事故によって大気中に放出された放射性セシウムをはじめとする放射性物質が蓄積しており、森林火災や火災後の土砂流出によってそれら放射性物質が再び周囲へ拡散することが懸念されている。
そこで、福島大学・筑波大学の研究メンバーはウクライナの研究機関(ウクライナ水文気象学研究所やチェルノブイリ生態センター)との国際共同研究プロジェクト(注2))の中で、規制区域内で発生した森林火災の跡地にて地表流が発生した場合にどれくらいの量の放射性物質が流出するかを明らかにすることとした。
※以下は添付リリースを参照
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添付リリース