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東大と理研、「スキルミオンひも」を用いた信号伝達に成功

2020/1/14 19:00
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発表日:2020年1月14日

「スキルミオンひも」を用いた信号伝達に成功

-フレキシブルで超低消費電力な新しい情報伝送路の実現に期待-

1.発表者:

関 真一郎(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構・物理工学専攻 准教授/科学技術振興機構 さきがけ研究者)

高木 里奈(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構・物理工学専攻 助教)

Nguyen Duy Khanh(理化学研究所 創発物性科学研究センター 強相関量子構造研究チーム特別研究員)

岡村 嘉大(東京大学大学院工学系研究科量子相エレクトロニクス研究センター・物理工学専攻 助教)

近藤 浩太(理化学研究所 創発物性科学研究センター 量子ナノ磁性研究チーム 上級研究員)

賀川 史敬(東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 准教授、理化学研究所 創発物性科学研究センター 動的創発物性研究ユニット ユニットリーダー)

大谷 義近(東京大学物性研究所 教授/理化学研究所 創発物性科学研究センター 量子ナノ磁性研究チーム チームリーダー)

十倉 好紀(理化学研究所 創発物性科学研究センター センター長/東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 教授、東京大学 卓越教授)

2.発表のポイント:

◆スキルミオンひも(注1)(電子のスピン(注2)が作るナノスケールの渦糸構造)の中を振動が伝わる様子を観測することに初めて成功。

◆スキルミオンひもは、その直径の1000倍以上の長距離にわたって信号を伝達することができ、順方向と逆方向の伝搬特性が異なるダイオード的な性質を持っていることを発見。

◆スキルミオンひもの振動は、電線上の電気信号と異なりジュール損失を生じないことから、フレキシブルで超低消費電力な新しい情報伝送路としての活用に期待。

3.発表概要:

東京大学大学院工学系研究科の関真一郎准教授(JST さきがけ研究者兼任)らの研究グループは、スキルミオンひも(磁性体中の電子スピンが作るナノスケールの渦糸構造)を利用した信号伝達を実証することに成功しました。渦巻き状のスピン構造であるスキルミオンは、2次元系では粒子のように振る舞うことが知られており、次世代の情報ビットの候補として近年盛んに研究されています。一方、3次元系のスキルミオンは「ひも」としての性質を持つことがわかっていますが、このスキルミオンひもがどのような応答や機能を示すのか、これまでほとんど明らかにされていませんでした。本研究では、スキルミオンひもの中を振動が伝わる様子を詳細に調べることで、ひもの直径の1000倍以上の非常に長い距離にわたって信号の伝達が可能であること、また順方向と逆方向の伝搬特性が異なるダイオード的な振る舞いが現れることを発見しました。スキルミオンひもの振動は、電線上の電気信号と異なりジュール損失を生じないことから、上記の結果は、スキルミオンひもをフレキシブルで超低消費電力な新しい情報伝送路として活用できる可能性を示しています。

本研究成果は2020年1月14日(火)に英国科学誌「Nature Communications」に掲載されます。

本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業個人型研究(さきがけ)の「トポロジカル材料科学と革新的機能創出」研究領域(No. JPMJPR18L5)および「新物質科学と元素戦略」研究領域、日本学術振興会(JSPS)科学研究費補助金基盤研究 A(No. 18H03685)、同新学術研究領域「ナノスピン変換科学」(No. 17H05186)の助成を受けて行われました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0526705_01.pdf

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