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広島大・阪大・京大など、塗布型有機薄膜太陽電池の高効率化技術の開発に成功

2020/1/14 13:35
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発表日:2020年1月14日

塗布型有機薄膜太陽電池の高効率化技術の開発に成功

~低コストで環境にも優しい次世代太陽電池の実用化に一歩~

【本研究成果のポイント】

・フッ素原子を持つ新しい半導体ポリマーの開発により、塗布型有機薄膜太陽電池(OPV)の高効率化に成功

・フッ素の導入位置が半導体ポリマーの性質や太陽電池性能に及ぼす影響を解明

【概要】

広島大学の尾坂格教授、斎藤慎彦助教、大阪大学の家裕隆教授、京都大学の大北英生教授、千葉大学の吉田弘幸教授、高輝度光科学研究センターの小金澤智之研究員らの共同研究チームは、フッ素原子を有する独自の半導体ポリマー[1]を開発しました。この半導体ポリマーを塗布して作製した有機薄膜太陽電池(OPV)[2]は出力電圧が高まり、エネルギー変換効率(太陽光エネルギーを電力に変換する効率)が向上することを発見しました。また、半導体ポリマーの化学構造におけるフッ素原子の位置が、半導体ポリマーの性質やOPVの特性にどのように影響を与えるかを解明しました。

OPVは半導体ポリマーをプラスチック基板に塗って薄膜化することで作製できるため、コストや環境負荷を抑えることができ、大面積化が容易です。また、軽量で柔軟、透明にすることが可能であり、室内光下で変換効率が高いという特長を持つことから、IoTセンサー、モバイル・ウェアラブル電源や窓、ビニールハウス向け電源など、現在普及している無機太陽電池では実現が難しい分野への応用を切り開く次世代太陽電池として注目されています。しかし、OPVの実用化にはエネルギー変換効率の向上が最重要課題であり、そのためには新しい半導体ポリマーの開発が不可欠です。

今回、共同研究チームは、広島大学の研究グループが以前に開発した半導体ポリマーに、大阪大学の研究グループが開発したフッ素導入技術を応用することで、これまで不可能だった位置にフッ素が導入された新しい半導体ポリマーを開発することに成功しました。これにより、半導体ポリマーの分子軌道エネルギーの準位[3]を、OPVに応用する上でより理想的な準位に制御することができ、変換効率を向上させることに成功しました。さらに、フッ素原子を導入する位置によって、半導体ポリマーの分子配向[4]が大きく異なり、電荷輸送[5]や電荷再結合[6]に影響を及ぼすことも明らかとなりました。本研究で得た新しい知見を基に半導体ポリマーを改良することで、さらなるエネルギー変換効率の向上が見込めます。

本研究成果は、2020年1月14日(日本時間)にドイツの科学誌「Advanced Energy Materials」オンライン版に掲載されます。

<論文情報>

・論文のタイトル:"Impact of Non-Covalent Sulfur-Fluorine Interaction Position on Properties, Structures, and Photovoltaic Performance in Naphthobisthiadiazole-Based Semiconducting Polymers"

・著者:Masahiko Saito, Tomohiro Fukuhara, Satoshi Kamimura, Hiroyuki Ichikawa, Hiroyuki Yoshida, Tomoyuki Koganezawa, Yutaka Ie, Yasunari Tamai, Hyung Do Kim, Hideo Ohkita,(*) Itaru Osaka

・掲載雑誌:Advanced Energy Materials

・DOI:10.1002/aenm.201903278

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0526686_01.pdf

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