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東大、東大開発のエボラワクチンの第I相臨床試験を開始

2019/12/5 13:30
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発表日:2019年12月5日

東大開発のエボラワクチンの第I相臨床試験を開始

四柳 宏(東京大学医科学研究所附属病院 感染免疫内科 教授)

河岡 義裕(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門 ウイルス感染分野 教授)

■発表のポイント

◆エボラワクチンの第I相臨床試験を、東京大学医科学研究所附属病院にて実施する。

◆本ワクチンは、ウイルス遺伝子の一部を欠損した変異エボラウイルスをベースとしている不活化ワクチンのため、安全性が高いとされている。また、複数のウイルス蛋白を含むため効果が高いことが期待される。

◆本試験は、エボラウイルス感染症に対する効果的な治療法や予防法の確立に向けた大きな一歩となる。

■発表概要:

東京大学医科学研究所附属病院では、四柳宏教授らが、エボラ出血熱の予防が期待されるワクチン"iEvac-Z"について、2019年12月より、成人男性のボランティアの協力を得て、第I相臨床試験(注1)を実施します。

2014~2016年に発生した西アフリカにおけるエボラ出血熱のアウトブレイク(注2)では、28,639名の感染者が報告され、そのうち11,316名が犠牲となりました。現在はコンゴ民主共和国でアウトブレイクが起きており、これまでに3,228名に感染者が報告され、そのうち2,157名が犠牲となっています。そのため、エボラ出血熱の予防および治療の方法を確立することは最重要課題となっています。

これまでに、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らは、ウイルス遺伝子の一部を欠損変異させたエボラウイルスを薬剤で不活化(注3)し、その不活化変異ウイルスをワクチンとして接種したサルが、野生型のエボラウイルスの感染を防御することを明らかにしました。本試験で使用する試験薬iEvac-Zは、この変異エボラウイルスをもとに、米国ウィスコンシン大学のWaisman Biomanufacturingにおいて、製造品質管理基準(GMP)に準拠して製造したものです。本ワクチンのヒトでの投与例は国内外ともになく、本試験がFirst in Humanの試験(注4)となります。

■発表内容:

<研究の背景と経緯>

エボラ出血熱は、エボラウイルスの感染によって引き起こされる急性熱性疾患であり、突然の発熱と共に疼痛、脱力感等のさまざまな症状が出現します。その病原性は極めて高く、致死率50~90%を示すウイルス種もあります。

1976年にスーダンとコンゴ民主共和国(旧ザイール)で初めて確認されて以来、アフリカで断続的に発生しており、アウトブレイクも何回か報告されています。2014~2016年に発生した西アフリカにおけるエボラ出血熱のアウトブレイクでは、28,639名の感染者が報告され、そのうち11,316名が犠牲となりました。また、その後も散発的な報告が続き、最近では2018年にコンゴ民主共和国において、エボラ出血熱のアウトブレイク宣言が出され、2019年10月現在も流行は続いています。これまでに3,228名の感染者が報告され、そのうち2,157名が犠牲となっています(2019年10月18日時点)。

今のところ、エボラ出血熱に対する効果的な治療法は無く、ワクチンも実用化に至っていませんが、海外ではさまざまなタイプのワクチンが開発されています。そのうち2種類は西アフリカでのアウトブレイク中にWHO主導のもと臨床試験が行われました。1種目のワクチンは500名に接種し効果が認められましたが、ワクチン製造に大量のウイルスを必要とするため、製造の効率化が大きな課題となっています。2種目のワクチンは約1万名に近い規模で臨床試験を実施し、効果が認められましたが、重篤な副作用が80名で認められ、そのうち2名はワクチンが原因と判断されています。そのため、今後も安全性については注意深い検証が必要です(注:後者のワクチンは、11月半ばに欧州連合で承認されました)。

以上のように、上記の2種類のワクチンについては、製造効率あるいは安全性が懸念されているため、より製造効率が高く安全な次世代のワクチン開発が期待されています。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0524329_01.pdf

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