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京大など、選択的に二酸化炭素を捉えて有用な有機分子に変換できる新しい多孔性材料を開発

発表日:2019年10月9日

プロペラ様の構造をもつ多孔性材料を開発-二酸化炭素を捉えて有機分子へ-

北川進 高等研究院物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)拠点長、大竹研一 同特定助教、細野暢彦 東京大学講師(兼・iCeMS客員講師)らの研究グループは、中国江蘇師範大学と共同で、選択的に二酸化炭素を捉えて有用な有機分子に変換できる新しい多孔性材料の開発に成功しました。

本研究で開発された多孔性材料は、有機分子と金属イオンからなるジャングルジム状のネットワーク構造でできており、内部にナノサイズの小さな穴(細孔)を無数に持っています。この細孔は二酸化炭素に高い親和性を持っており選択的に二酸化炭素を細孔中に取り込むことができます。さらに、細孔に触媒能を持つ金属イオン部位が規則的に配置されており、取り込んだ二酸化炭素分子を原料として細孔内で高効率な触媒反応を起こすことが期待されます。

本多孔性材料は、二酸化炭素を取り込むだけでなく、二酸化炭素の反応性を高め有用な有機分子に変換させることができる材料です。また、この反応は付加反応であるため副生成物を生じず、有機溶媒も用いないことから環境に優しい反応です。本研究成果は、地球温暖化の主因ともされる二酸化炭素を安価に資源として活用する技術への応用が期待されます。

本研究成果は、2019年9月25日に、国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。

※図は添付の関連資料を参照

■詳しい研究内容について

・プロペラ様の構造をもつ多孔性材料を開発-二酸化炭素を捉えて有機分子へ-

 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2019/documents/190925_1/01.pdf

■書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41467-019-12414-z

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/244247

Pengyan Wu, Yang Li, Jia-Jia Zheng, Nobuhiko Hosono, Ken-ichi Otake, Jian Wang, Yanhong Liu, Lingling Xia, Min Jiang, Shigeyoshi Sakaki & Susumu Kitagawa (2019). Carbon dioxide capture and efficient fixation in a dynamic porous coordination polymer. Nature Communications, 10:4362.

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0521029_01.jpg

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