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東大、大規模・汎用量子計算を実行できる量子もつれの生成に成功

発表日:2019年10月18日

大規模・汎用量子計算を実行できる量子もつれの生成に成功

―新しいアプローチで量子コンピューター実現に突破口―

古澤 明(東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 教授)

アサバナント ワリット(同大学院工学系研究科物理工学専攻 博士課程 2年生)

■発表のポイント:

◆世界で初めて、どのような量子計算でも実行できる量子もつれ(2次元クラスター状態)の生成に成功した。

◆5入力5,000ステップ程度の計算に使える、25,000個の光パルスから構成された大規模な2次元クラスター状態を生成し、そのサイズも原理的にはいくらでも大きくできる。

◆現在主流のゲート方式の量子コンピューターの限界を克服できる新しいアプローチであり、量子コンピューターの実現への新たな可能性を拓いた。

■発表概要:

量子コンピューターは幅広い分野での応用が期待され、実現に向けて世界各国で開発が進められています。現在主流の開発方式はゲート方式(注1、図1)と呼ばれ、まず量子ビット(注2)を一個ずつ作製し、それらを組み合わせて計算するために量子ビットの間を配線した上で、量子操作を順に行いながら計算を実行します。実際に、ゲート方式に基づいて、超伝導回路やイオントラップを用いた量子コンピューター開発が進められています。しかし、この方式では量子ビットの数が増えれば増えるほど、量子ビット間の配線が複雑化されていくことがボトルネックとなっており、大規模化へ技術的な限界が見え始めつつあります。今回、東京大学大学院工学系研究科のアサバナント ワリット博士課程大学院生と古澤明教授らは、ゲート方式とは異なる一方向量子計算方式(注3、図2)に着目し、あらゆる量子計算のパターンを重ねあわせた状態である汎用的な量子もつれ(2次元クラスター状態)(注4、注5、図3)を世界で初めて生成することに成功しました。2次元クラスター状態を用意することができれば、それを構成する各量子ビットを測定するだけでどのような量子計算も行えるため、前述したゲート方式のような量子ビット間の配線は必要ありません。今回、大規模な2次元クラスター状態を実現するため、独自の時間領域多重方式(注6、図4)を用いて大規模な2次元クラスター状態を少数の光学素子で生成する新しいシステム(図5)をデザイン・構築し、実験的に状態の生成と検証を行いました。それに加えて、このシステムから生成された2次元クラスター状態(図6)を利用して効率的に計算を行う方法も理論的に考案しました。これにより、現在主流のゲート方式における配線の問題を回避し、量子計算の規模を従来よりも飛躍的に拡大できる突破口が明らかになり、実用的な量子コンピューターへの新たな道が開けました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0520906_01.pdf

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