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東大、半導体ヘテロ構造を用いた新しい原理の高効率冷却デバイスを開発

発表日:2019年10月3日

半導体ヘテロ構造を用いた新しい原理の高効率冷却デバイスを開発

~デバイスの過熱を防ぎ、省エネルギーと性能向上に貢献~

1. 発表者:

平川 一彦(東京大学 生産技術研究所 光物質ナノ科学研究センター 教授)

ベスコン・マーク(LIMMS/CNRS-IIS (UMI2820)国際連携研究センター 国際研究員)

2.発表のポイント:

◆高密度集積化が進むにつれ、デバイス内の熱が、デバイスの動作を妨げ、信頼性を下げる大きな原因となってきており、エレクトロニクスの進歩を制限していた。

◆半導体へテロ構造のバンド構造を適切に設計し、熱電子放出と共鳴トンネル効果を制御して実現できる、新しい原理の冷却素子を開発した。素子1段当たりの冷却能力は、従来のペルチェ素子の約10倍の値が期待されている。

◆局所的かつ高効率に冷却できるため、大型コンピュータの冷却エネルギーの削減やデバイスの性能改善に、大きく貢献することが期待される。

3.発表概要:

東京大学 生産技術研究所 光物質ナノ科学研究センターの平川 一彦 教授、LIMMS/CNRS-IIS(UMI2820)国際連携研究センターのベスコン・マーク国際研究員を中心とする研究グループは、半導体へテロ構造(注1)を用いて、高効率な冷却素子を開発しました。

現代のエレクトロニクスは、デバイスの高密度集積化と高速動作で発展してきました。しかし、内部で発生する熱が急速に増え、動作や信頼性に大きな影響を与え始めています。冷却すれば性能が上がるデバイスは少なくありません。膨大な情報を扱うデータセンターやスーパーコンピュータは、全体を冷却して過熱を防いでいますが、莫大なエネルギーが必要です。このため、デバイスを効率よく冷却する技術は、将来のエレクトロニクス発展の鍵を握る技術として開発が急がれています。

本グループは、非対称なエネルギー障壁を持つ半導体二重障壁ヘテロ構造を適切に設計し、熱電子放出(注2)と共鳴トンネル効果(注3)を制御して実現できる冷却素子を開発しました。共鳴トンネル効果により量子井戸(注4)へ低エネルギーの電子の注入を行い、さらに厚い障壁を用いて高エネルギー電子のみ取り除くという方法で、電流が量子井戸を通過して流れるに従い、量子井戸層中の電子がエネルギーを失い、冷却されていくことを原理とする素子です(図1)。従来の固体冷却素子(ペルチェ素子、注5)のおよそ10倍の高い冷却能力を持つと期待されています。

今後、トランジスタや半導体レーザなどのデバイス活性層を局所的かつ高効率に冷却する新しい素子として、省エネルギーやデバイスの性能向上に大きく貢献することが期待されます。

本研究成果は10月3日(木)(英国夏時間)に、英国科学誌「Nature Communications」(オンライン速報版)に掲載されます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0520451_01.pdf

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