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東大、波の形を整えた赤外光を用い分子反応の操作に成功

発表日:2019年8月29日

旋律を整えた赤外光で分子反応を操作

1.発表者:

芦原 聡(東京大学 生産技術研究所 准教授)

2.発表のポイント:

◆"波の形(音楽でいう旋律)"を整えた赤外光を用いて、分子振動(注1)を強く揺さぶり、分子の結合を切断すること(解離反応)に成功した。

◆波の形を整えた赤外光をナノスケールの微小空間に集中させることにより、振動励起(注2)による解離反応を、これまで困難とされてきた溶液中で初めて実現した。

◆本手法は、対象分子に注入するエネルギーを最小限にとどめることができる上、目的とする反応を選択的に誘起・促進できる可能性をもつ。今後、医薬・環境・エネルギーなどに関わる幅広い化学反応を対象に本手法の有効性を高め、適用範囲を広げていくことが期待される。

3.発表概要:

東京大学 生産技術研究所の芦原 聡 准教授、森近 一貴 博士課程大学院生、櫻井 敦教 特別研究員(研究当時、現:分子科学研究所 助教)、石井 和之 教授、村田 慧 助教らのグループは、"波の形(音楽でいう旋律)"を適切に整えた赤外光を用いることにより、分子振動を強く揺さぶり、化学結合が切断される解離反応を誘起することに成功した。

多くの化学反応は、加熱により活性化エネルギーの壁を越えることで進行する。しかし、その温度には限界があり、また、複数の反応が起こりうる系では、目的とする反応以外の反応も促進されてしまう問題があった。そこで、本研究グループは、こうした熱反応を促進する鍵が分子振動の励起にあるという原理に立ち返り、周波数を選ぶことで特定の分子振動を励起できる赤外光の利用に着目した。具体的には、ピコ秒(1兆分の1秒)程度の短時間に強く光る赤外光を、プラズモニクス(注3)を活用してナノメートルスケールの微小空間に集中させ、さらに、あたかもメロディーを奏でるように周波数が適切なタイミングで時々刻々と変化するよう電場波形を整えた。この『旋律を整えた強い赤外光』を用いて活性化エネルギーを超える振動励起を達成し、実現が困難と見られていた溶液中においても解離反応の誘起が可能であることを実証した。

本手法は、反応に直結する振動運動だけを励起するため、対象分子に注入するエネルギーを最小限にとどめることができる上、目的とする反応を選択的に誘起・促進できる可能性をもつ。

今後は、医薬・環境・エネルギーなどに関わる幅広い化学反応を対象に有効性を高め、本手法の適用範囲を広げることが期待される。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0517849_01.pdf

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