2019年9月22日(日)

プレスリリース

東大、非磁性半導体/強磁性半導体ヘテロ接合における新しい電子伝導現象を発見

2019/8/27 0:05
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発表日:2019年8月27日

非磁性半導体/強磁性半導体ヘテロ接合における新しい電子伝導現象を発見

~次世代のスピントロニクス・デバイスの実現に新たな道筋~

1.発表者

瀧口 耕介(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 博士課程1年)

レ デゥック アイン(Le Duc Anh)(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構 助教)

千葉 貴裕(福島工業高等専門学校 講師)

小山 知弘(東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 助教:研究当時)

千葉 大地(東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 准教授:研究当時)

田中 雅明(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 教授)

2.発表のポイント

◆非磁性半導体と強磁性半導体(注1)からなる二層のヘテロ接合を作製し、新しい電子伝導現象を発見しました。磁場を印加したときの電気抵抗の変化(磁気抵抗効果、注2)は最大80%に達し、この磁気抵抗効果は金属や絶縁体を用いた同様の二層のヘテロ接合で観測された磁気抵抗に比べて約800倍の大きさです。

◆この磁気抵抗効果は、磁場の向きを変えた時の振る舞い(磁場方向についての対称性)が、これまでに知られているいかなる磁気抵抗効果とも異なり、新しい磁気抵抗効果と言えます。

◆加えて、この磁気抵抗の大きさはゲート電圧により変調可能で、電流と磁性の結合を電気的手段によって制御できることを明らかにしました。本研究は、強磁性半導体を用いた次世代のスピントロニクス(注3)・デバイスの実現に新たな道筋を示したということができます。

3.発表概要

東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻の瀧口耕介大学院生、Le Duc Anh 助教、田中雅明 教授、同物理工学専攻の小山知弘 助教(研究当時)、千葉大地 准教授(研究当時)、福島工業高等専門学校の千葉貴裕 講師のグループは、すべて半導体でできた非磁性半導体/強磁性半導体からなる二層ヘテロ接合を作製し、新しい電子伝導現象を発見しました。磁場を印加したときの電気抵抗の変化(磁気抵抗効果)は最大で80%に達し、金属や絶縁体を用いた同様の構造に比べて約800倍大きな値です。研究グループが作製したのは、非磁性半導体であるヒ化インジウム(InAs)薄膜(厚さ15nm)とアンチモン化ガリウムに鉄を添加した強磁性半導体GaFeSbの薄膜(15nm)を積層した二層のヘテロ接合です。このヘテロ接合で観測された磁気抵抗効果は、これまでに知られているどのような磁気抵抗効果と比べても、磁場の向きを変えた時の振る舞い(磁場方向についての対称性)が異なり、新しい磁気抵抗効果と言えます。さらに、このヘテロ接合をトランジスタに加工することで、外部からの電圧によってInAs薄膜中の電子状態を変化させることが可能になります。InAsは非磁性の半導体ですが、電圧を印加することで隣接するGaFeSb薄膜の磁気的な性質をInAsに付与し、磁気抵抗の大きさをゲート電圧により変調できること、すなわち、電流と磁性の結合を電気的手段によって制御できることが明らかになりました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0517303_01.pdf

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