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東大・理研、熟練の研究者の「勘と経験」を誰でも簡単に再現できる技術を開発

2019/8/22 18:00
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発表日:2019年8月22日

熟練の研究者の「勘と経験」を誰でも簡単に再現

~たった数分で単結晶構造解析の結果の事前評価が可能に~

■ポイント

▽従来の単結晶構造解析は、試料の選別や、高精度の解析結果を効率良く得るための計測条件を、熟練の研究者の「勘と経験」で決定していた。

▽統計解析技術の1つである「ベイズ推論」を用いることで、選別した試料から得られる単結晶構造解析結果や、設定した計測条件で得られるデータの質の事前評価ができる技術を開発した。

▽経験が少ない研究者でも試料の選別や計測条件の決定を再現することができ、また、解析に必要な実験をコンピューターが判断し実行する技術開発への応用も期待される。

JST 戦略的創造研究推進事業において、JSTの星野 学 さきがけ専任研究者(理化学研究所 創発物性科学研究センター 物質評価支援チーム 研究員)らは、数時間から数日かけて得る単結晶構造解析結果を、数分で計測した予備的なデータから事前評価ができる技術を開発しました。

単結晶構造解析は、単結晶試料にX線を照射して数千から数万個のデータを計測して、それらをコンピューターで処理しながら行います。そのため、時間をかけてデータを計測、解析してからでないと、選別した試料が研究の目的に相応しいのか、精度の良い解析結果が得られたのかを確認することができません。

現状における試料の選別やデータ計測の条件設定は、数分で行う予備計測の結果に基づいて熟練した研究者が「勘と経験」で行なっています。

本研究グループは、熟練の研究者による「勘と経験」を統計解析に置き換える技術を開発し、経験が少ない研究者でも単結晶構造解析前に結晶内の分子を区別でき、また、精度の良い解析結果を得るために必要な計測条件を決定することを可能にしました。

本研究の成果は、単結晶構造解析を用いた分子構造や物質構造の評価を高効率化、高精度化させることにつながります。また、単結晶構造解析に必要な計測実験を人に代わってコンピューターが判断し実行する技術開発への応用も期待されます。

本研究は、理化学研究所 創発物性科学研究センター 物質評価支援チームの橋爪 大輔チームリーダー、東京大学 大学院総合文化研究科の中西 義典 助教(JST さきがけ研究者 兼務)と共同で行いました。

本研究成果は、2019年8月22日(英国夏時間)に英国科学誌「Scientific Reports」のオンライン版で公開されます。

本成果は、以下の事業・研究領域・研究課題によって得られました。

 ○戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)

 ・研究領域:「計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用」

  (研究総括:雨宮 慶幸 高輝度光科学研究センター 理事長、副研究総括:北川 源四郎 東京大学 数理・情報教育センター 特任教授)

 ・研究課題名:高分解能データの統計的推定による超高精細結晶構造解析の開拓

 ・研究者:星野 学(科学技術振興機構 さきがけ専任研究者/理化学研究所 創発物性科学研究センター 物質評価支援チーム 研究員)

 ・研究実施場所:理化学研究所、東京大学

 ・研究期間:平成29年10月~令和3年3月

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0516994_01.pdf

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