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阪大・理研・東大など、単一光子から単一電子スピンへの情報変換に成功―量子中継や量子インターネットの基本技術の一つを検証

2019/7/17 10:26
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発表日:2019年7月16日

単一光子から単一電子スピンへ情報の変換に成功

―長距離量子暗号通信や量子インターネットの基本技術の一つを検証―

【研究成果のポイント】

◆量子中継や量子インターネット構築には、長距離通信に利用できる光子の状態を、量子計算機などに利用される電子スピンへと変換することが重要だが、正しく情報変換されるかどうか解明されていなかった。

◆単一光子が作る単一電子スピンの新しい計測技術を開発し、円偏光から移した電子スピン情報を読み取ることに成功。

◆重ね合わせ状態やもつれ状態など量子力学的な情報の変換、理論上絶対に安全な暗号通信の実用化に期待。

■概要

大阪大学産業科学研究所の藤田高史助教と大岩顕教授、理化学研究所創発物性科学研究センターの樽茶清悟副センター長(研究当時 東京大学大学院工学系研究科 教授)、ルール大学ボーフムのAndreas D. Wieck(アンドレアス ヴィック)教授らの研究グループは、開発を続けてきたゲート制御型の半導体量子ドット(※1)構造を改良して、単一粒子レベルで角運動量(※2)が光子から電子へと移されることを実証し、光の単位である光子(※3)から作られた単一電子スピン(※4)を捉えて、その情報を読み取ることに成功しました。

これまで光から生成された電子スピンを半導体中で検出するには、多数の粒子が必要とされており、単一光子から単一電子スピンへと形態を変換したときに、そのスピンの情報が正しく写されて、さらに利用できるかどうかについては解明できていませんでした。

今回、藤田助教らの研究グループは、従来は一つの量子ドットを使って、光で励起した電子を捉えることとスピンの読み取りの両方を実現しようとしていたところ、トンネル効果(※5)によって隣接する電子スピンを新たに配置することにより光の影響を受けにくい安定したスピンの読み取りを可能にしました。これにより、最も基本的な光-スピン間の変換原理が検証されるとともに、今後はこの技術を量子情報の単一光スピン検出器として利用し、重ね合わせ状態(※6)やもつれ状態(※7)にある円偏光(※8)などの光源を使い、より高度な量子力学的な情報を活用できる見込みがあります。半導体量子ドットは量子計算機の構成要素(量子ビット)を収めるデバイスとしても研究開発されているので、この成果により小規模な量子計算機を結合することやその暗号通信の長距離化(量子中継(※9))、将来的には量子インターネット(※10)への貢献が期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」(オンライン)に、7月16日(火)午後6時(日本時間)に公開されます。

*図1は添付の関連資料を参照

*以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

図1

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0514538_01.jpg

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0514538_02.pdf

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