2019年8月21日(水)

プレスリリース

横浜国立大、光子からダイヤ中の炭素への量子テレポーテーション転写に成功

2019/7/1 11:05
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発表日:2019年6月28日

世界初、光子からダイヤ中の炭素への量子テレポーテーション転写に成功

~量子インターネットを実現する量子中継の大容量化に道~

■ポイント

○量子インターネットの実現には、量子暗号通信を長距離化する量子中継器の開発が不可欠であり、光子が伝送した情報の安全な量子転写が課題となる。

○量子テレポーテーションの原理でダイヤモンド中の炭素同位体への量子転写を実現し、情報の漏えいなく転写の成功を通知する伝令信号付きの量子中継に道を拓いた。

○同位体制御技術により必要に応じて量子メモリー数を増やせる量子中継器が実現でき、大規模で高速な量子インターネットの構築が期待される。

JST 戦略的創造研究推進事業において、横浜国立大学 大学院工学研究院/先端科学高等研究院の小坂 英男 教授、同 大学院理工学府 博士課程前期の鶴本 和也 大学院生らは、ダイヤモンド中の炭素同位体を量子メモリー注1)として用い、量子テレポーテーションの原理を応用して、光子の量子状態を維持したまま情報漏えいによる盗聴の可能性なく量子メモリーに転写することに世界で初めて成功しました。

研究グループは、ダイヤモンド中の窒素空孔中心(NV中心)の電子と近傍の炭素同位体の核子を量子もつれ注2)状態にし、光子の吸収による核子への伝令信号付き量子テレポーテーション転写を実現しました(図1)。これにより多数の量子メモリーに光子の量子状態を個別に転写および一時保存でき、量子中継注3)の処理能力を格段に向上できます。今回の研究では、量子中継における量子状態の遠方への転送だけでなく、量子状態の保存にも量子テレポーテーション原理が有効であることが示されました(図2、3)。また、同位体濃度制御で量子メモリーを大容量化できる上に、炭素核子は光による書き込み・読み出しに対して安定なため、量子中継処理の高速化、高信頼化に有効です。

本成果は、量子暗号通信注4)を量子中継でネットワーク化した量子インターネットにより、量子コンピューター、量子シミュレーター、量子センサーなどの量子接続を可能とし、超高速かつ秘匿性を保つ量子計算や高精度な量子計測などへの道を拓くと期待されます。

本研究成果は2019年6月28日(英国夏時間)、Nature Researchが発行する「Communications Physics」にオンライン掲載されます。

本成果は、以下の事業・研究領域・研究課題によって得られました。

 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)

  ・研究領域:「量子状態の高度な制御に基づく革新的量子技術基盤の創出」(研究総括:荒川 泰彦 東京大学 特任教授)

  ・研究課題名:「ダイヤモンド量子セキュリティ」(課題番号 JPMJCR1773)

  ・研究代表者:小坂 英男(横浜国立大学 大学院工学研究院/先端科学高等研究院 教授)

  ・研究期間:平成29年10月~令和5年3月

   本研究課題では、ダイヤモンド中のNV中心を用い、光子から核子への伝令付き量子テレポーテーション転写、電子と核子のエラー耐性のあるホロノミック量子ゲートなどの研究開発により、量子コンピューターや量子暗号通信とこれらを接続する量子中継の実用化に道を拓きます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0513258_01.pdf

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