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東京農工大など、三次元に無限につながるジャイロイド構造をもった高分子膜を生み出すことに成功

2019/6/18 15:20
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発表日:2019年6月18日

水のナノシートを三次元につないで、水素イオンの超高速輸送を実現!

-水1滴で面積100m2の三次元アクアナノシートを創成-

○高分子膜の高速プロトン伝導を実現する、膜内で水分子が無限につながる"三次元アクアシート"の合成に成功した。

○更に、ジャイロイド構造(注1)の重合固定化による高分子フィルム化に成功し、実用化への展開可能性を示した。

○燃料電池などの電解質膜に要求される、省エネ、低環境負荷、低コストを同時に達成することが見込まれる。

国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院生命機能科学部門の一川尚広特任准教授のグループとSheffield大学のXiang-bing Zeng博士のグループは、独自の"分子設計"により両親媒性分子(注2)の自己組織化を制御することで、三次元に無限につながるジャイロイド構造をもった高分子膜を生み出すことに成功しました。この膜に水を染み込ませることで、ジャイロイド界面構造に沿って水分子が取り込まれ、厚みが1ナノメートルよりも薄く、三次元に無限に広がる水分子のシート(三次元アクアシート)を創成できました。換算すると、水1滴で面積100m2の三次元アクアシートを張ることができることになります。更に、このアクアシートでは、水素イオン(プロトン)がバケツリレー型のメカニズム(ニュートンのゆりかご)により輸送されるため、極めて高速なプロトン伝導特性(10-1 S cm-1)(◇)を達成しました。本研究の成果で得られた高分子膜は、燃料電池の電解質膜としての展開を期待することができます。更に、高分子電解質膜の需要は多彩な領域において高まっていることを考えると、今後、幅広い研究に革新をもたらす高分子膜として期待できます。

◇「10-1 S cm-1」の正式表記は添付の関連資料を参照

本研究成果は、Royal Society of ChemistryのChemical Science誌(IF=9.063)(6月17日付)のオンライン版で公開され、後日出版される号の表紙を飾る予定です。

・URL:https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2019/SC/C9SC00131J

・論文タイトル:Gyroid structured aqua-sheets with sub-nanometer thickness enabling 3D fast proton relay conduction

・DOI:10.1039/C9SC00131J

本研究は、JST戦略的創造研究推進事業 さきがけ「超空間制御と革新的機能創成」(研究総括:黒田一幸)研究領域における研究課題名「三次元Gyroid極小界面を用いたプロトン伝導性空間の創成」(研究者:一川尚広 東京農工大学 特任准教授)の支援を受けました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

「10-1 S cm-1」の正式表記

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0512343_01.pdf

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0512343_02.pdf

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