プレスリリース

東大、電流を流すとN極とS極が反転する磁石を実現

2019/6/13 18:00
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発表日:2019年6月13日

電流を流すと N 極と S 極が反転する磁石を実現

~強磁性半導体単層極薄膜における低電流密度磁化反転現象~

1.発表者:

・Miao Jiang(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 博士課程2年生)

・浅原 弘勝(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 博士課程3年生)

・佐藤 彰一(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 博士研究員)

・金木 俊樹(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 博士課程3年生:研究当時)

・山崎 浩樹(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 修士課程2年生:研究当時)

・大矢 忍(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構/電気系工学専攻 准教授)

・田中 雅明(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 教授)

2.発表のポイント:

◆強磁性半導体を用いることにより、強磁性の単一の極薄膜に小さな電流を流すだけで N 極とS 極(磁化の向き)が反転する現象を発見しました。

◆磁化反転に必要な電流密度は 3.4×105 A/cm2程度で、この値は磁化反転の研究で一般的に用いられている強磁性金属薄膜と非磁性金属薄膜からなる二層構造で必要とされる典型的な電流密度(約 107 A/cm2)よりも2桁程度小さな値です。

◆本研究は、磁化反転に必要な電流を低減できる新たな材料探索のきっかけとなることが期待されます。

3.発表概要:

東京大学大学院工学系研究科の Jiang Miao(姜●)(◇)大学院生(博士課程2年)、大矢忍 准教授、田中雅明 教授のグループは、小さな電流を流すだけで N 極と S 極(磁化の向き)が反転する磁石を実現しました。研究グループが作製したのは、ガリウム砒素(GaAs)という半導体にマンガン原子を数%ドーピングした強磁性半導体GaMnAsという物質からなる膜厚7 nmの極薄膜です。この薄膜に電流を流すだけで、しかも 3.4×105 Acm-2という非常に小さな電流密度で磁化が反転することが分かりました。

◇「Jiang Miao」の漢字表記は添付の関連資料を参照

現在、強磁性体の電子のスピン自由度(注1)を用いて新たな省エネルギーデバイスを実現する試みが盛んに行われています。通常、磁化反転には、電子のスピンの向きを磁化に受け渡す方法や、強磁性金属薄膜と非磁性金属薄膜を接合させた2層構造に電流を流すことによって生じるスピン軌道トルクという力を利用した方法などが用いられています。しかし、これらの方法では、一般的には 107 Acm-2程度の大きな電流が必要です。

強磁性半導体 GaMnAs には、物質内に相対論的量子効果であるスピン軌道相互作用が存在しており、それにより、低電流密度での磁化反転が起こっているものと考えられます。本成果により、低電力での磁化反転が可能な新たな強磁性材料探索が加速することが期待されます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

「Jiang Miao」の漢字表記

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0512025_03.pdf

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0512025_04.pdf

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