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東大、神経回路形成の新たなルールを解明

発表日:2019年6月7日

神経回路形成の新たなルールを解明

神経細胞同士のコミュニケーション言語の解読

竹内 春樹(東京大学大学院薬学系研究科 特任准教授)

中嶋 藍(東京大学大学院薬学系研究科 特任助教)

■発表のポイント:

◆嗅覚系をモデルシステムとして、多様かつ特異的な神経活動パターンが、遺伝子発現の活性化を介し細胞のタイプに応じた特異的な嗅神経回路形成を行なっていることが明らかとなりました。

◆発達期に神経回路が形作られるにあたって、「経時的に変化する神経活動パターンという情報にしたがって神経回路形成が行なわれる」という新しいメカニズムが存在することを発見しました。

◆本研究成果は、発生期における複雑なネットワーク形成のメカニズム解明に有益であると共に、回路の破綻に起因する神経疾患発症のメカニズムを知る鍵となることが期待されます。

■発表概要:

神経細胞は、「神経活動」と呼ばれる電気信号を発します。この神経活動は、成熟した脳においては神経ネットワーク中にある神経細胞同士が互いに情報をやりとりする手段として使われていますが、発達期の脳においては正確なネットワークそのものを作るために使われていることが知られています。しかし、電気パルスのオン・オフで表される神経活動がどのようにして神経細胞の複雑かつ精緻なネットワークを構築しているのかについては、「神経活動の同期性にしたがって神経回路形成が行なわれる」というヘブ則が提唱されている以外には長い間謎のままでした。研究グループは、嗅覚系をモデル系として嗅神経細胞(嗅細胞)の神経活動の観察を行い、接続先を同じくする嗅細胞の集団は同様の神経活動のパターンを示す一方で、接続先の異なる嗅細胞集団は異なる神経活動パターンを示すことを見出しました。さらに人為的に神経活動パターンを操作することで、神経活動パターンが回路構築に関わるタンパク分子(軸索選別分子)の特異的な発現を制御して嗅神経回路の形成を指令していることを発見しました。これらの結果から、嗅細胞の回路構築は、神経活動パターンという情報に基づいて行なわれることが明らかになりました。また、異なる神経活動パターンは、異なる軸索選別分子の発現を活性化したことから、多様な神経活動パターンによって個々の神経細胞の個性を反映した多様な「分子コード」を作り出すことで複雑かつ精緻な回路構築が可能にしていると考えられます。

本研究成果は、2019年6月6日のScience誌(オンライン版)に掲載されます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0511271_01.pdf

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